2013年9月7日土曜日

こんな金環日食はいやだ


8月20日、火星の2つの衛星のうちの大きい方 ― フォボス ― が太陽の前を横切り、その影が火星表面で活動中の探査車・キュリオシティの上を通過。キュリオシティは車体上部から真上に伸びるマストに取り付けられたカメラ(Mastcam)の一つを使ってその様子を撮影しました。三枚の写真の撮影間隔は3秒です:

通常の探査活動を休止してまでこのような現象の撮影をおこなうのは、火星の衛星の軌道を精密に知るためです。実際、今回の金環日食では、太陽面を横切るフォボスが、予報よりも太陽の中心に2~3km近いところを通過したことがわかりました。

フォボスの視直径は太陽を覆うほど大きくなく、その形もいびつなため、金環日食といってもあまり「環」のようには見えません。これに比べると、美しい金環日食や「ダイヤモンド・リング」という現象を作り出す太陽-月-地球の大きさや距離のバランスは絶妙といえるのではないでしょうか。


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