2017年6月27日火曜日

渡島大島の大噴火と大津波


日本海に浮かぶ活火山の島は2つしかありません。北海道沖の利尻島(地図)と渡島大島(おしまおおしま、地図)です。

渡島大島は1741年(8代将軍・徳川吉宗の時代)に大噴火しました。山体が崩壊して海に流れ込んだため大津波が発生し、北海道南西部をはじめ日本海側の各地に大きな被害をもたらしました。

「丘陵の頂上の高さを調べてみると、海抜19・4メートル。渡島大島の噴火による津波は、この高さの丘陵をやすやすと乗り越えるほど巨大だった」:

気象庁の資料によると、渡島大島の1741年の噴火の経緯は以下のとおりです:
8月18日、西山から噴火。火砕物降下→岩屑なだれ→火砕物降下・溶岩流。25日からは降灰のため江差で昼も暗くなる。29日に大津波が発生し、死者1467名(北海道・津軽)、流出家屋791棟。

渡島大島は翌1742年にも大規模なマグマ噴火(VEI4)を起こし、再び山体が崩壊しています。1759年には中規模のマグマ噴火、1786年ごろと1790年には噴煙が記録されています。

渡島大島は気象庁が認定する111の活火山に含まれていますが、24時間体制で監視する常時観測火山には含まれていません。