蔵王山の地下で起きている物質移動を観測するためにおこなわれたハイブリッド重力観測の結果、蔵王山の御釜(地図)付近で2013年7月から2014年7月までの1年間に+30マイクロガル(microgal)を越える顕著な重力異常が観測されたとのことです:
- 蔵王山の御釜付近で 30 microgal を越える顕著な重力異常が認められる。
- 御釜から 4km 程度以上離れたところに認められる、20 microgal 程度の重力減少は、東北地方全域の広域的現象である (東北地方太平洋沖地震の余効変動; 同一期間の絶対重力観測結果から、仙台で -11 microgal、江刺で -17 microgal、由利本荘で -8 microgal の変動が得られている)。
- 「2」の効果を考えると、火山起源の重力変動は御釜付近では、50 microgal を越える可能性がある。
上は、10月23日に開かれた第130回火山噴火予知連絡会定例会で使われた下記資料の74~75ページからの引用です:
- 第130回 火山噴火予知連絡会資料 (その6) 東北地方 (PDF形式、9.0MB)
重いマグマが地下から上昇してくると地上では重力の増加が観測されます。「重力は地下での質量移動を直接反映するため、最近では、精密重力の繰り返し測定が、火山のマグマの動きをモニターする1つの有力な方法となっている」(出典)とのことです。
関連記事
- 吾妻山で火山性微動と傾斜変動 ― 山形県・福島県 (11年10月28日)
- 蔵王山で連続低周波地震 ― 宮城県 (13年2月1日)
- 蔵王山で連続低周波地震 ― 宮城県 (続報) (13年2月1日)
- 蔵王山で連続低周波地震 ― 宮城県 (続報-2) (13年3月18日)
- 蔵王山で初の火山性微動 ― 宮城県 (13年4月10日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (13年4月12日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報) (13年4月26日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-2) (13年5月10日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-3) (13年6月7日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-4) (13年7月19日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-5) (13年8月2日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-6) (13年10月23日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-7) (13年10月27日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-8) (13年11月1日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-9) (13年12月6日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-10) (13年12月13日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-11) (14年1月7日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-12) (14年8月9日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-13) (14年8月16日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-14) (14年8月17日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-15) (14年9月6日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-16) (14年10月3日)
- 蔵王山の火口湖が白濁 ― 宮城県 (14年10月9日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-17) (14年10月10日)
- 蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-18) (14年10月17日)
- 蔵王山の火口湖が再び白濁 ― 宮城県 (14年10月20日)