10月3日付「蔵王山で火山性微動、火山性地震増加、傾斜計にも変化 ― 宮城県 (続報-16)」の続報です。
10月8日に実施された現地調査で、蔵王山(地図)の火口湖「御釜」(地図)の一部が白濁しているのが確認されたとのことです。
以下は、本日(10月9日)16時に気象庁が発表した「蔵王山の火山活動解説資料」(PDF形式)からの引用です:
昨日(8日)、山形大学が行った現地調査では、御釜の東側湖面の一部に白濁した部分がみられ、15分後には消滅したことが確認されました。本日(9日)気象台が行った現地調査では、御釜の湖面の変色等は無く、湖水の温度は11度で従来の状況から変化はありませんでした。また、御釜の周辺にも地熱は認められませんでした。
蔵王山では、10月に入ってからすでに2回の火山性微動が観測されています(9月末までの火山性微動をまとめた表は、先の記事の末尾にあります)。火山性地震はやや活発な状態で、御釜直下付近の浅いところを震源としています。また、「熱水等地下の流体の振動等が原因とされている低周波地震も時々発生」しているとのことです。
9月30日の火山性微動にともなって始まった東上がり(山側上がり)の傾斜変動は、現在も止まっていません。
現時点で、噴火警戒レベル(に相当するキーワード)は「平常」のままです。
気象庁の資料には、蔵王山の噴火について「有史以降も主に御釜を噴出口とする数多くの活動が記録されているが、被害を伴った噴火は御釜の内外で発生している。噴火に伴い泥流を発生することが多い」とあります。
蔵王山が最後に噴火(水蒸気噴火)したのは1940年4月ですが、その前年の7月に御釜の水が変色し泡立ち、11月に湖面から湯気が上がる、と記録されています。
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