10月14日付「御嶽山噴火の次は?」の補足です。
御嶽山に続いて噴火するかも知れないとして名前のあがった5つの火山の現状について、気象庁の「火山活動解説資料」(9月分)から抜粋しました。やや活発な火山活動を見せているのは浅間山だけで、その他の火山は静穏です。引用文中の「GNSS」(Global Navigation Satellite Systems)はGPSなどを含む衛星測位システムの総称です。
▼ 「富士山の火山活動解説資料(平成26年9月)」 (PDF形式)
2011年3月15日に静岡県東部(富士山の南部付近)で発生したマグニチュード6.4の地震以降、地震活動が活発な状況となっていましたが、その後、地震活動は低下してきています。その他の観測データでも浅部の異常を示すものはありません。火山活動に特段の変化はなく、噴火の兆候は認められません。
平成19年12月1日に噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)を発表しました。その後、予報事項に変更はありません。
深さ15km付近を震源とする深部低周波地震は少ない状況でした。火山性微動や浅部の低周波地震は観測されませんでした。
GNSS連続観測では、火山活動によるとみられる変動は認められませんでした。
▼ 「箱根山の火山活動解説資料(平成26年9月)」 (PDF形式)
火山活動に特段の変化はなく、静穏に経過しており、噴火の兆候は認められません。
平成21年3月31日に噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)を発表しました。その後、予報事項に変更はありません。
今期間、火山性地震の発生は少なく、地震活動は低調に経過しました。火山性微動は観測されませんでした。
GNSS連続観測及び湯河原鍛冶屋に設置している体積ひずみ計による地殻変動観測では、火山活動によるとみられる変化は認められませんでした。
▼ 「浅間山の火山活動解説資料(平成26年9月)」 (PDF形式)
火山活動に特段の変化はなく、山頂火口から500mを超える範囲に影響を及ぼす噴火の兆候は認められません。ただし、山頂火口から500m以内に影響する程度の噴出現象は突発的に発生する可能性がありますので、火山灰噴出や火山ガス等に警戒してください。
平成22年4月15日に噴火予報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(平常)に引き下げました。その後、予報事項に変更はありません。
今期間、火山性地震は、やや少ない状態で経過しました。主な震源はこれまで同様、山頂火口直下のごく浅い所と推定されます。火山性微動は少ない状態で経過しました。
山体周辺の GNSS連続観測では、2008 年7月初め頃から 2009 年夏にかけて深部へのマグマの注入を示す伸びがみられ、その後 2009 年秋頃からわずかに縮みの傾向がみられています。傾斜観測及び光波測距観測では特段の変化は認められませんでした。
▼ 「日光白根山の火山活動解説資料(平成26年9月)」 (PDF形式)
火山活動に特段の変化はなく、静穏に経過しており、噴火の兆候は認められません。
平成19年12月1日に噴火予報(平常)を発表しました。その後、予報事項に変更はありません。
今期間、火山性地震の発生は少なく、地震活動は低調に経過しました。火山性微動は観測されませんでした。
GNSS連続観測では、火山活動によるとみられる変動は認められませんでした
▼ 「那須岳の火山活動解説資料(平成26年9月)」 (PDF形式)
火山活動に特段の変化はなく、静穏に経過しており、噴火の兆候は認められません。
平成21年3月31日に噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)を発表しました。その後、予報事項に変更はありません。
今期間、火山性地震の発生は少なく、地震活動は低調に経過しました。火山性微動は観測されませんでした。
GNSS連続観測では、火山活動によるとみられる変動は認められませんでした。
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