9月11日付「キラウエアの溶岩流で非常事態宣言 ― ハワイ」の続報です。
ハワイ島のキラウエア山(地図)から6月27日に流出し始めた溶岩流("June 27th Lava Flow")の先端が、とうとう居住地域のパホア村(地図)に到達しました。9月後半には、溶岩流の進行速度が低下し、止まるのではないかと思われ、非常事態宣言も取り下げられた時期があったのですが、自然災害はそう甘くはありませんでした:
- 溶岩流、仏教墓地に流れ込む 米ハワイ島
- ハワイで溶岩が民家に到達、町全体に危険 (写真あり)
- キラウエア火山、溶岩止まらず 小屋が炎上 (写真あり)
以下は、USGSのハワイ火山観測所(HVO)が公開している最新の溶岩流の位置を示す航空写真地図です。赤い色が1日で進んだ部分を示しています。溶岩流が "Pāhoa Cemetery"(墓地)を取り囲むようにして進んでいることが分かります:
以下は、HVOが公開している写真集です。毎日写真が追加されています:
以前から疑問に思っていたのですが、なぜアメリカでは溶岩流の方向を変えて居住地域からそらしたり、放水などによって冷却して進行を止めたりする努力をしないのでしょうか。アイスランドでは、溶岩流が人の住む地域に向かう恐れがある場合には、ブルドーザーで溝を掘ったり、土を盛り上げて堤防を作ったりして溶岩流を無害な方向にそらしたり、消防車で放水して進行を止めるか、最悪でも遅らせることを試みます。この疑問に対する答えが上にリンクを張ったCNNの記事にありました ―― 「当局者によると、流れをそらす措置は検討されていない。『どちらへ向かったとしても、その方向にはだれかの土地がある』からだという」。
関連記事
- マグマ溜まりに孔をあけてしまった男たち (08年12月18日)
- キラウエア山の噴煙の色が突然変化 (09年3月31日)
- 連続噴火 10000日 ― ハワイ・キラウエア山 (その 1) (10年6月7日)
- 連続噴火 10000日 ― ハワイ・キラウエア山 (その 2) (10年6月7日)
- 民家が溶岩に呑み込まれる ― ハワイ島 (10年7月27日)
- 驚くほど浅いところにあったマグマ溜まり ― ハワイ (10年12月25日)
- キラウエア山で群発地震、マグマ上昇 ― ハワイ (11年2月18日)
- キラウエア山で新たな割れ目噴火 ― ハワイ (11年3月7日)
- キラウエア山で新たな割れ目噴火 ― ハワイ (続報) (11年3月9日)
- キラウエア山のマグマが過去最高レベルに ― ハワイ (12年10月25日)
- キラウエアの溶岩流で非常事態宣言 ― ハワイ (14年9月11日)