2023年9月11日月曜日

小惑星 2023 RY2 が地球と月に接近・通過

 
9月8日午後に小惑星〝2023 RY2〟が 地球と月の近くを通過していたことが、9月10日付の NASA/JPL のデータベース更新で明らかになりました。この小惑星が発見されたのは地球最接近の 1日後でした。
 
2023 RY2 (2023年9月10日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)9月8日 15:43
 (月)9月8日 18:09
接近日時 誤差
(地球)± 2 分
(月)± 2 分
接近距離 (地球)0.492 LD
(月)1.260 LD
推定直径
6 ~ 13 m
対地球相対速度
10.5 km/s ≅ 3万8000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近
公転周期779 日 ≅ 2.13 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2023年9月10日日曜日

西村彗星接近中 (続報)

 
西村彗星が夜明け前の東の空に長い尾を引いた姿を現しています:
 
国立天文台の資料によると、西村彗星は太陽にもっとも接近(近日点通過)する 9月18日前後には 2.5等級ほどの明るさになると予想されていますが、観測条件が悪いため肉眼で見るのは難しそうだとのことです。9月14日ごろからは、彗星は夕方の西空に見えるようになります:
 
9月初めごろには、太陽面爆発の影響による太陽風の乱れで、西村彗星の尾がちぎれる現象が観測されています:
 
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2023年9月9日土曜日

モロッコで M6.9

 
9月8日深夜23時過ぎ(日本時間 9日07時11分) 、北アフリカのモロッコで M6.9 の地震がありました(震央地図)。震源地は人気の観光地であるマラケシュ(人口約 84万人)の南西約 72km。まだ、被害の報道は少ないですが、多くの建物が倒壊しているもようです。
 
EMSC(ヨーロッパ地中海地震学センター)は M6.9、震源の深さ 10km、USGS(米国地質調査所)は M6.8、深さ 18.5km、Geoscope は M6.9、深さ 24km、日本の気象庁は M7.0、深さ 約 30km としています。北アフリカのこの地域を襲った地震としては過去 120年以上で最大規模だったとのことです。

[9月10日追記: USGS は震源の深さを 26.3km に、震央の位置を南東に約 7km ずれた位置に更新しました。EMSC は地震の規模を M6.8 に、震源の深さを 12km に更新しました。]

[9月12日追記: USGS は震源の深さを 18.0km に、EMSC は 26km に更新しました。]
 
以下は USGS の "Tectonic Summary" の抄訳です ——
 
2023年9月8日にモロッコのオウカイメデネ付近で発生した M6.8 の地震は、マラケシュの南東約 75km にあるハイ・アトラス山脈内の浅い深さの斜め逆断層によって発生した。 この地震の発震機構解は、走向が北西で急傾斜の斜め逆断層、または走向が東で浅い傾斜の斜め逆断層で破壊が発生したことを示している。 ハイ・アトラス山脈には、東西方向と北東-南西方向に走る様々な横ずれ断層と衝上断層が分布している。今回の地震は、アフリカ・プレートとユーラシア・プレートの間のプレート境界から約 550km 南にあるアフリカ・プレート内で発生した。 この地震の発生場所では、アフリカ・プレートがユーラシア・プレートに対して西南西方向に年間約 3.6mm 移動している。[9月12日修正: USGS が移動速度を 24mm から 3.6mm に修正]

この地域で今回のような規模の地震が起きることは珍しいが、想定外ではない。1900年以降、この地震から 500km 以内では M6 以上の地震は起きておらず、M5 以上の地震は 9回しか起きていない。これらのほとんどは、今回の地震の東側で発生している。
 
 
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2023年9月8日金曜日

小惑星 2023 RS が地球と月に接近・通過

 
9月7日から8日にかけての深夜、小惑星〝2023 RS〟が 地球と月の近くを通過しました。地球にもっとも近づいたときの地表からの高度は約 4000km でした(静止衛星の高度は約 3万6000km)。
 
2023 RS (2023年9月7日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)9月7日 23:26
 (月)9月8日 03:16
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.027 LD
(月)0.941 LD
推定直径
1 ~ 2 m
対地球相対速度
13.6 km/s ≅ 4万9000 km/h
初観測から地球接近まで0 日
次の地球接近2024年1月29日
公転周期649 日 ≅ 1.78 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2023年9月5日火曜日

首都直下地震で地下ガス爆発?

 
Smart FLASH』の記事です。長い記事ですが、後半に信州大学・榎本祐嗣名誉教授の指摘があります。
 
「東京都心部の地下には、日本最大の『南関東ガス田』があります」、「採掘が停止されて50年以上たち、さらに現在の東京の地表は、コンクリートの建物やアスファルトでほぼ塞がれています。ガスは溜まりに溜まっている状態です」、(関東大震災の火災は)「七輪やかまどの火の不始末が、火災旋風(炎をともなうつむじ風)で燃え広がったというのが定説ですが、金属が溶けるほどの高温になった説明がつきません。私は、上ガスが原因だったと考えています」、「地下のガスが地震によって噴出し、引火して一気に爆発した可能性があるのだ」:
 

地異印象記 (その 1)

 
哲学者・倫理学者の和辻哲郎の『地異印象記』(青空文庫所収)から。「人間は自分の欲せぬことを信じたがらぬもの」 ——

 大正十二年ごろ関東地方に大地震がある、ということをある権威ある地震学者が予言したと仮定する。その場合今度のような大災害は避けられたであろうか。大本教は二、三年前大地震を予言して幾分我々を不安に陥れたが、地震に対する防備に着手させるだけの力はなかった。しかしそれは大本教が我々を承服せしめるだけの根拠を示さなかったからである。もし学者が在来の大地震の統計や地震帯の研究によって大地震の近いことを説いたならば、人々はあらかじめあの震害と火災とに備えはしなかったであろうか。

 自分は思う、人々は恐らくこの予言にも動かされなかったろうと。なぜなら人間は自分の欲せぬことを信じたがらぬものだからである。死は人間の避くべからざる運命だと承知しながらも我々の多くは死が自分に縁遠いものであるかのような気持ちで日々の生を送り、ある日死に面して愕然と驚くまでは死に備えるということをしない。それと同じように、百年に一度というふうな異変に対しては、人々はできるだけそれを考えまいとする態度をとる。在来の地震から帰納せられた学説は、この種の信じたがらぬものを信じさせるほどの力は持たない。結局学者の予言も大本教の予言と同様に取り扱われたであろう。
 
 

2023年9月4日月曜日

存在しない山々が見える — 沖縄県

 
琉球新報』の記事から。8月25日午後、沖縄県の名護湾(地図)沿いの国道 58号から臨む本部半島(地図)の稜線の向こうに、実在しない山々が幾重にも重なって見える現象が目撃・撮影されました。記事にはこの現象の原因は書かれていません:

記事中にある「カタブイ」については以下を参照してください:
 

「自然」に発狂の気味のあるのは疑ひ難い事実である

 
いろいろな植物が季節はずれに花を咲かせていることから、小説家の芥川龍之介が関東大震災を予言していたという話。青空文庫収録の『大正十二年九月一日の大震に際して』から引用します。文中の「僕」が芥川龍之介です ——

 大正十二年八月、僕は一游亭と鎌倉へ行き、平野屋別荘の客となつた。僕等の座敷の軒先はずつと藤棚になつてゐる。その又藤棚の葉の間にはちらほら紫の花が見えた。八月の藤の花は年代記ものである。そればかりではない。後架の窓から裏庭を見ると、八重の山吹も花をつけてゐる。
  山吹を指すや日向の撞木杖    一游亭
   (註に曰、一游亭は撞木杖をついてゐる。)
 その上又珍らしいことは小町園の庭の池に菖蒲も蓮と咲き競つてゐる。
  葉を枯れて蓮と咲ける花あやめ  一游亭
 藤、山吹、菖蒲と数へてくると、どうもこれは唯事ではない。「自然」に発狂の気味のあるのは疑ひ難い事実である。僕は爾来人の顔さへ見れば、「天変地異が起りさうだ」と云つた。しかし誰も真に受けない。久米正雄の如きはにやにやしながら、「菊池寛が弱気になつてね」などと大いに僕を嘲弄したものである。
 僕等の東京に帰つたのは八月二十五日である。大地震はそれから八日目に起つた。
「あの時は義理にも反対したかつたけれど、実際君の予言は中つたね。」
 久米も今は僕の予言に大いに敬意を表してゐる。さう云ふことならば白状しても好い。――実は僕も僕の予言を余り信用しなかつたのだよ。
 
 

2023年9月3日日曜日

ロシア・ウクライナ戦争と地震観測網


Nature』誌に掲載された論文です。地震観測網によって得られる爆発のデータが、戦争を客観的に監視するための効果的なツールとなり、国際法違反の攻撃に関する客観的情報の収集に役立つとのことです。
 
「(地震計のネットワークによって)2022年2月から 11月にかけて、キエフ、ジトーミル、チェルニーヒウの各県で 1200 件を超える爆発が観測され、正確な発生時刻、場所、規模が判明した。 私たちは、さまざまな種類の軍事攻撃に関連する一連の地震音響信号を特定し、その結果得られた爆発のカタログは、公的に報告されている攻撃の数をはるかに上回っている」:
 


イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-153)

 
米国イエローストーン国立公園の 8月の状況です。スティームボート間欠泉(地図)の噴出が 8月25日にありました。77日ぶりで、今年 6回目の噴出です。
 
日付(現地時間) 間隔(日)
1 1月5日 30
2 1月28日 23
3 3月11日 42
4 5月7日 57
5 6月9日 33
6
8月25日 77
 
 
地震活動は通常のレベルでした。136件の地震が記録され、最大は 8月12日に発生した M2.7。8月2日から 4日にかけて、オールド・フェイスフル間欠泉の北北東約 26km の場所で群発地震があり、14件の地震を観測。
 
スティームボート間欠泉のあるノリス間欠泉盆地近くの GPS観測点では、2022年10月から 2023年6月にかけて合計約 3cm の着実な沈降が記録されていましたが、7月と 8月にはいかなる変形も観測されませんでした。

イエローストーン・カルデラでは、年間数センチメートルで 2015 年以来続いてきた沈降が停止。毎年夏に起こる現象で、雪解け水などが地下に浸透したことが原因。季節的な隆起も観測されませんでした。