11月27日14時13分、金星と土星が 0°34′ まで接近します。ついで、同日20時22分には火星と冥王星が 4°33′ まで接近します。
翌28日は満月で半影月食があります。この月食は21時12.6分から始まり翌29日の01時53.4分に終わります。日本では食の始まりから終わりまでを見ることができますが、半影月食が進行中であることに気づかない人が多いかも知れません。月がいつもより少し暗い、あるいは少し赤っぽいと感じたら、それは半影月食のせいです。
この一連の天体ショーは、地球-金星-土星、地球-火星-冥王星、太陽-地球-月が、それぞれほぼ直線上に並ぶことを意味しています(Astroblog所載の 図 を参照してください)。このような天体の配列があると、必ず涌いてくるのが天変地異が起きると騒ぎ立てる〝トンデモ屋〟さんたちです。たとえば以下の動画は、太陽・月・惑星の位置関係から、11月28日にスマトラ島北部からニコバル諸島、アンダマン諸島にかけての地域でマグニチュード7.8の地震が起きる可能性があると主張しています:
金星や土星、火星や冥王星が地球に及ぼす重力や潮汐力は微々たるものです。先に紹介した 図 にもその大きさを計算した数値が描き込まれていますが、ほとんど無視できる大きさで、大きな地震を引きおこすきっかけとはなりえません。仮に28日に大地震が起きたとしても、それは惑星の配列の結果と考えるべきではありません(太陽と月の影響については下の関連記事などを参照してください)。
以下の図は、金星と土星が最接近する11月27日14時13分に東京から見える惑星の位置です。実際には太陽が出ている時間帯ですので星は見えませんが、見えたとしたらこのような配置になります。太陽の右下に水星、さらにその右下に接近中の金星と土星、太陽の左上には火星が見えます。火星の上にある赤い十字は、暗すぎて見えない冥王星の位置を示しています:
Stellarium 0.11.4 で作成 (クリックで拡大)
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なお、接近した金星と土星の実際の姿は、27日あるいは28日の日の出前に見ることができます。
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