3月11日付「国際宇宙ステーションの一部が落ちてくる (続報)」の続報です。
3月8日に米国フロリダ州ネープルズ(地図)の民家に落下し、屋根や2階と1階の床を突き破って、もう少しで住人に当たるところだった物体は、国際宇宙ステーションから投棄された部品であることが確定しました:
以下は、上記 NASA の記事の概略です ——
2021年3月、国際宇宙ステーションでは、電力アップグレードの一環として新しいリチウム・イオン電池の搬入と設置に続いて、老朽化したニッケル水素電池を含む貨物パレットをロボット・アームを使用して宇宙空間に投棄した。投棄された物体の総質量は約5800ポンド(2.6トン)。
物体は 2024年3月8日に地球の大気圏に突入したが、大気圏内で完全に燃え尽きると予想されていた。しかし、物体の一部は焼失を免れ、フロリダ州ネープルズの住宅に衝突した。NASAはその家の所有者の協力を得て物体を回収し、フロリダ州のケネディ宇宙センターで分析した。
物体は 2024年3月8日に地球の大気圏に突入したが、大気圏内で完全に燃え尽きると予想されていた。しかし、物体の一部は焼失を免れ、フロリダ州ネープルズの住宅に衝突した。NASAはその家の所有者の協力を得て物体を回収し、フロリダ州のケネディ宇宙センターで分析した。
分析に基づき、NASA はこの物体が、電池を貨物パレットに取り付けるために使用された飛行支援装置の支柱であると判断した。この物体は金属合金のインコネル製で、重さ 1.6ポンド(0.7kg)、高さ 4インチ(10cm)、直径1.6インチ(4cm)。
[注]インコネル: ニッケルに、クロム、鉄、炭素などを加えて、耐熱性と耐蝕性を高めたニッケル合金
[注]インコネル: ニッケルに、クロム、鉄、炭素などを加えて、耐熱性と耐蝕性を高めたニッケル合金
民家の所有者は賠償を求めると言っています。問題の貨物パレットの所有者は米国 NASA ですが、国際宇宙ステーションまで運んだのは日本の JAXAの無⼈物資補給機「こうのとり」で 2020年5月のことです。宇宙損害責任条約では、「宇宙物体が地表において引き起こした損害は打ち上げ国が責任を負う」と定められています。JAXA が賠償を求められる可能性があるかも知れません。
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