京都大学の 4月18日付の発表です:
- 大地震発生直前に観察される電離層異常発生の物理メカニズムを発見 ― 地殻破壊時に粘土質内の水が超臨界状態となることが鍵 ―
- 大地震発生直前に観察される電離層異常発生の 物理メカニズムを発見 ― 地殻破壊時に粘土質内の水が超臨界状態となることが鍵 ― (PDF形式)
「プレート境界面には、すべりやすいスメクタイトなどの粘土質が存在し、その粘土質の中にある水が地震発生前の高温高圧下で超臨界状態となり、電気的な性質が通常の水と異なり絶縁性となり、電気的特性が急に変化することで電磁気学的異常が生成することを初めて提案し、電離層への影響を大気の静電容量によりモデル化し、モデルから予測される生成電場の大きさと観測されている地震発生前の電離層の伝搬異常の速度変化が整合的であることを示しました。」
「本研究成果により、大地震発生前に観測された電離層の異常が、偶然のノイズによるものではなく、物理的な因果関係を持つ前兆現象である可能性が大きくなったと考えることができます。」
関連記事
- QuakeFinder 社が電磁気的前兆を観測 (10年5月18日)
- QuakeFinder社がSETI研究所と提携 (11年8月5日)
- 電離圏にみられる地震前駆現象 (08年12月10日)
- 1ヵ月以内にM7級地震の予測 ― ロシア極東 (12年2月14日)
- イランが地震予知衛星を計画 (12年3月2日)
- ロシアとイギリスが地震予知衛星システムを開発 (12年4月13日)
- 中国が人工衛星による地震予知を目指す (14年2月4日)
- 中国が地震予知衛星を打ち上げへ (14年4月3日)
- 台湾も地震予知衛星打ち上げへ (15年2月20日)
- 地震予知会社 ― Terra Seismic (15年3月27日)
- ネパールの地震と電離層の変動 (15年5月10日)
- 中国が地震予知を目指す衛星を打ち上げへ (17年1月18日)
- 地震電磁気観測衛星を打ち上げ ― 中国 (18年3月7日)
- 人工衛星が地震前兆をキャッチ ― 台湾 (18年3月7日)
- 中国の地震予知研究者にビザ発給せず (18年7月29日)
- 電離層で地震予知 ― イスラエルの Ionoterra社 (19年9月12日)
- 電離層で地震予知 ― イスラエルの Ionoterra社 (続報)(19年12月4日)
- 中国が地震予知のために世界初の電磁波送受信設備を建設 (20年1月15日)
- 「地震予知」とは呼べるものではなく、「予言」や「まやかし」の類 (20年3月11日)
- 地震予知を可能にする「電離層前兆予測」 (20年7月5日)
- 大地震を80%の精度で予知する方法を開発 — イスラエル (22年7月29日)
- 大地震を80%の精度で予知する方法を開発 — イスラエル (補足) (22年7月29日)
- 地震の前に磁場の変化あり (22年10月12日)
- 地震電磁気観測衛星を打ち上げ ― 中国 (続報) (23年4月16日)
- 地震予知衛星打ち上げへ — 静岡県立大学、日本大学 (23年7月25日)