2023年3月3日金曜日

ロシア: 「イエローストーンに核ミサイルを撃ち込む」

 
ロシア国営テレビの放送で、退役士官の軍事専門家が、ロシアが核ミサイル「サルマト」(NATOではサタン-2 と呼ばれる)を使ってイエローストーン国立公園の火山を攻撃し、巨大噴火を誘発させる可能性について言及しました。 


 
以下は記事からの抜粋です ——
 
▼ ロシアの退役海軍士官コンスタンチン・シヴコフは、ロシア 1 の番組「ウラジーミル・ソロヴィヨフとの夕べ」で、ロシアは核ミサイル「サルマト」でイエローストーンを噴火させることができると語った。

「サルマトは特別な兵器だ。まず第一に、大量の核弾頭を目標に届けることに加えて、小さなブロック弾頭で、南極を経由して攻撃することもできる、地球規模のミサイルと言える兵器だ」とシブコフは語った。

「すべてを探知できるミサイル防衛システムを構築することは不可能であり、それは米国が脆弱であることを意味する。これが第一のポイントだ」とシヴコフは付け加えた。「そして第二のポイントは、サルマトが米国で最も恐れられているイエローストーン火山に脅威を与えていることだ。」
 
▼ ルカ・デ・シエナは『ニューズウィーク』誌に、「(イエローストーンに核弾頭を撃ち込むことは)誰も試したことがないのだから、結論を出す前に、その効果をコンピューターで数値的にモデル化すべきだ」と述べた。彼はドイツのヨハネス・グーテンベルク大学マインツ校の地球物理学准教授である。

「一般に、カルデラの頂上から瞬時に質量を取り除くと、質量バランスが崩れ、マグマが上方に移動し、噴火が発生する。」

「しかし、核爆発の影響ははるかに大きく、放射線によって地表の温度が上昇し、全体の圧力が変化する。私の推測では、第一の問題は噴火ではなく、米国の反撃による人類の急速な滅亡だろう。」

▼ 米国地質調査所(USGS)も、核爆発がイエローストーンの噴火を誘発する可能性は非常に低いと述べている。現在休火山となっているイエローストーンは、地震という形でより大きなエネルギーが放出されても乱されることはない。『ナショナルジオグラフィック』によると、イエローストーン国立公園では毎年 1000~3000回の地震が記録されているという。

イエローストーン近郊で記録された最大の地震は、1959年のヘブゲン・レイク地震で、マグニチュードは 7.3 だった。この地震は、火山の固いマグマ体のすぐそば、深さ約 6 マイルで発生した。つまり、地震のエネルギーの多くが火山の岩盤に放出されたのだ。
 
この地震は、2メガトンの核兵器よりも大きなエネルギーを放出し、1945年に広島を襲った原子爆弾の100倍のエネルギーに相当する。しかし、この地震では、揺れのために温泉や間欠泉に多少の変化が生じただけだった。

また、イエローストーンで核爆弾が爆発したとしても、そのエネルギーの大半は空気中に放出される。通常、核弾頭は地上に落ちる前に起爆される。

USGSによると、過去数万年の間に何度も強力な地震が発生しているにもかかわらず、7万年もの間、イエローストーンの噴火は起きていないという。この状況は、すぐには変わりそうにない。イエローストーンの液状マグマは 5〜15% しかない。噴火を起こすには、大量の液状マグマと、それを地表に上昇させるだけの圧力が必要である。

核兵器でイエローストーンが噴火することはないだろうが、米国の国土で核爆発が起きれば、動物や人間の生命に大きなダメージを与えることは確かだ。