北海道苫小牧市(地図)で行われていた二酸化炭素回収・貯留(Carbon dioxide Capture and Storage, CCS)大規模実証試験の報告書を、経済産業省が5月15日付で公表しています。「CCSが安全かつ安心できるシステムであることを確認した」とのことです:
- 苫小牧における CCS 大規模実証試験 30万トン圧入時点報告書(「総括報告書」) (PDF形式)
- 苫小牧における CCS 大規模実証試験 30万トン圧入時点報告書(「総括報告書」)概要 (PDF形式)
上掲「概要」中の地震に関わる主な記述は以下のとおりです:
- 圧入開始以降、2019年12月まで、平成30年北海道胆振東部地震本震の前後を含めて、貯留地点近傍において圧入との関連を疑うべき微小振動および自然地震は検知されなかった。
- 平成30年北海道胆振東部地震(2018年9月6日午前3時7分発生)の規模はM6.7、震源は胆振地方中東部の深さ37 km、苫小牧CCS実証試験センターでも震度5弱相当の揺れを観測した。
- 地層の圧力・温度について、CO2の漏洩を示唆するデータは確認されなかった。また、圧入地点における微小振動は常にモニタリングしているが、検出されなかった(圧入開始以来検出されていない)。
- 地震発生後に、圧入実績に基づきCO2挙動シミュレーションを実施。更に、本事業でのCO2圧入による当該地震の震源位置での応力変化は地球潮汐力による地殻への圧力変化(数kPa)の1/1,000程度と計算された。
関連記事
- ハイチ地震はテクトニック兵器のテストだった? (10年2月6日)
- 地震に危機感 ― イラン (10年2月12日)
- 今度は「お盆に大地震」説 (11年8月12日)
- 深さ 10km ちょうどの地震 (その1) (11年8月27日)
- HAARPは地震を起こせるか (13年9月16日)
- Can We Blast Japan from Below? (19年5月26日)
- 択捉島沖で「深海機器」試験 ― ロシア (19年8月19日)
- 人造地震 (20年1月4日)