2018年10月7日日曜日

インドネシア・スラウェシ島 M7.5 (続報-4)


スラウェシ島の地震で多くの死者を出した津波について、パル湾の海面下で地滑りが何か所も発生したことが原因とする推定が示されています。現地調査をおこなった東北大学の今村文彦教授(津波工学)に『朝日新聞』が取材した記事です:

以下に記事をまとめます:
  • パル市の海岸では、津波による損壊がひどい場所とそうでない場所が約100~200mの間隔で存在; 一般的な津波による被害とは様相が異なる。

  • 左横ずれ断層がパル湾に沿って延びている。パル市周辺でのずれは約5m。同市では地滑りが相次いで発生した。

  • パル湾の海面下の斜面や沿岸部でも地滑りが何か所も発生、大量の土砂が海底に流れ落ち、付近の海面が大きく変動したことによって津波が発生した。

続報-3」で紹介した動画で、パル湾の海面に何か所か白波ないしは白い泡の集合しているような箇所がありましたが、上の推定と符合します。

続報」では、パル市の海岸で泳いでいた人による証言「(揺れの直後に)波が200メートルほど海岸から引いたのを見て、津波が来ると直感した。(中略)最初の波は道路が浸水する程度だったが、次は大波だった」を『朝日新聞』から引用して紹介しましたが、以下の『時事通信社』の記事には、同じパル市の海岸にいた人の「引き潮はなかった(そのため津波が来るとは思わず、多くの人が津波にのまれた)」とする証言が載っています:

以下のツイートにはパル市(地図)の港湾地区 Pantoloan(地図)に設置されていた潮位計の記録が載っています。(1)と(2)では最初に潮位の低下が見られますが、(3)ではいきなり潮位が上昇しています:
  1. Muh Ma'rufin Sudibyo(Tidal station operated by Agency of Geospatial Information, Indonesia)
  2. Muh Ma'rufin Sudibyo (Source: @widjokongko ,tsunami scientist from Agency for the Assessment & Application of Technology (BPPT), data from BIG)
  3. Copernicus EMS (Source: BIG Measurement)

関連記事