2018年10月3日水曜日

インドネシア・スラウェシ島 M7.5 (続報)


9月30日付「インドネシア・スラウェシ島 M7.5」の続報です。

陸域の横ずれ断層によって起きた地震にもかかわらず大きな津波(波高18フィート=約5.5m)が押し寄せたことに、専門家も驚いているようです:

上の記事では、津波が大きくなった要因として、まず第一に、津波被災地のパル(Palu)やドンガラ(Donggala)が面しているパル湾(Palu Bay)の細長い形状があげられています(震央・津波被災地の詳細地図を参照してください)。

さらに横ずれ断層によって津波が発生する理由について、複数の仮説が提示されています。どれが今回の地震に当てはまるのか、あるいは全く別の理由があるのかは、現地調査の結果を待つしかありません:
  1. 水平断層の運動ではあっても垂直方向の動きがないわけではない。この動きが海水を動かした(さらに湾の細長い地形がそれを増幅した)。

  2. 今回の地震で破壊された断層の長さは約70マイル(約110km)に及ぶ。海底の高まりや凹みを断層が横切っていると、断層の運動によってそのような高まりや凹みが海水を押し、海面が盛り上がる(反対側では海面が下がる)。

  3. 地震による激しい揺れによって海底で地滑りが起き、それが海面の変動をもたらした。海底地滑りが津波を起こすことは珍しいことではない。1964年のアラスカ地震(M9.2)でも起きている。

海外の専門家のツイートやブログなどを見ていると、海底の地滑りが津波を起こしたとする見方が多いようです。

今朝の『朝日新聞』に被災地パルの住民の証言が掲載されています。「海で泳いでいた9月28日夕に大きな揺れを感じた。直後、波が200メートルほど海岸から引いたのを見て、津波が来ると直感した。(中略)最初の波は道路が浸水する程度だったが、次は大波だった。」

海外の報道では、地震から約30分後に津波警報が解除された後にも大きな津波があった、とも伝えられています。


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