2018年10月7日日曜日

髑髏形小惑星が再び地球に接近?


3年前のハロウィーンに地球に接近した髑髏形小惑星〝2015 TB145〟(画像)が再び地球に接近する、と欧米でしきりに報道されています。特に、大衆紙とかタブロイド紙と呼ばれるジャンルのメディアは〝Skull Asteroid TB145 WARNING: 'Death Comet' barrelling towards Earth on HALLOWEEN〟(Sunday Express 紙)などとセンセーショナルに伝えています。以下は冷静な記事の例です:

今回の「接近」の実態はどうかというと、地球から約 4000万km(地球から月までの距離の104倍)も離れたところを通過するので、もはや「接近」とは言いづらい状況です。

北極星の方向からみた最接近時の位置関係。
地球と金星は下から上へ、TB145は右から左へ移動。
TB145の軌道の灰色は地球の公転面より下(南)、白色は上(北)。
(Credit: NASA/JPL)

この小惑星はアポロ群に分類され、直径は約 600m と推定されています。もともとは彗星であったものが、太陽への接近を繰り返すうちに表面にある氷などの揮発性物質が失われて、尾を引くなどの彗星としての活動が止まってしまった天体だと考えられています。

以下は NASA/JPL の最新の予報です:

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2015 TB145600 (地球)11月11日 14:09 103.97
(1LD=地球から月までの平均距離) 

接近時の地球との相対速度は非常に速く、秒速28.1km(時速約10万1000km)と計算されています。


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