2015年11月10日火曜日

モクズガニ大量発生 ― 静岡県静岡市


11月9日、静岡県静岡市葵区を流れる長尾川(地図)で大量のモクズガニが見つかりました。「長尾川には毎年この時期になると現れるが、これほど大量に見つかることはない」:

Wikipediaにはモクズガニの生態について、「成体はおもに晩夏から秋に河川の淡水域に出現する。雌雄とも、一部の個体は越冬するが、多くの個体は秋から冬にかけて繁殖のために海へ下る。そのため成体は春以降夏の終わりまで淡水域ではほとんど採集されない」と書かれています。

1995年1月17日の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)の前兆を集めた『前兆証言 1519!』(弘原海清、東京出版、1995)には、カニに関する証言として以下が記載されています:
  • 西宮市 前日、西宮港は1匹の魚も釣れず、1か月前からババガニの姿が消えた。
  • 明石市 2日前、大きな魚が全く釣れず、テトラにカニもいなかった。(中略) テトラにはたいがいひっついている小さな赤色のカニ(名前がわかりません)がいないのが不思議だと友だちが言ってました。本当にいなくなってたんです。(普通はウヨウヨいるんです)いつもなら潮が引く時だけぐらいしか消えないのに、なぜかその日は見あたりませんでした。魚より早くカニが逃げてしまったのかなとも思いました。

『地震前兆現象 予知のためのデータ・ベース』(力武常次、東京大学出版会、1986)には、1987年1月14日の伊豆大島近海地震についての証言として以下が記載されています:
  • 松崎町雲見の海岸(震央から38km)、地震の22時間前 カニ20~30匹が浮き上がった。

上記書籍には1923年9月1日の関東地震(関東大震災)についても以下のような証言が載っています:
  • 神奈川県横浜市(震央から41km)、地震の1年前 大震災の1年位前から押し入れといわず、縁の下といわずカニがどこでも入りこんできて困り、(以下略)
  • 千葉県新田町(震央から88km)、4ヶ月前 その年の春、小ガニが海岸線から100m陸上まで這い上がってきた。その数、数十匹で30分位であった。
  • 逗子市逗子海岸(28km)、1週間前 8月下旬逗子海岸で浜に住んでいるカニが西方の山に向かって、上がってきました。毎夕方何万という程足の踏み場もない程でした。
  • 神奈川県横浜市(42km)、2~3日前 (満潮時には奥まで海水が入るはずの洞穴で)満潮の時間であったにもかかわらず、海水は穴の奥の方まで上がってこなくて、洞穴内のカニを採ることが出来ましたが、(中略)洞穴の中は海水で洗われた形跡もなく、乾いていて、普段は内にもぐっているカニがゾロゾロと出口の方へ出てきて、波打ち際の方へ歩いて来ていたのでした。
  • 文京区白山(70km)、2日前 8月30日避暑地より赤い小さなカニを持ち帰って庭においておいたが、夜床下に逃げてしまった。31日は1匹も見えなかったが、9月1日の朝一斉に庭に出てきた。
  • 神奈川県横浜市鶴見区(49km)、1~2日前 潮田の海岸では地震の前々日から前日にかけてカニが陸に向かってぞろぞろ這っており拾うのに忙しい位で短時間に大ビクに入りきらぬ程捕った。
  • 千葉県津田沼(88km)、1日前 前日海岸より4km北へ、小さいカニが北上した。
  • 神奈川県横須賀市(34km)、12~15時間前 防波堤には無数のカニがはい上がって釣り人達の足の踏み場もなかった。一時間に四~五百匹のカニが捕れたと報告されている。
  • 東京湾(61km) 渡りガニが下から浮いてくるように投網に入った。20cm以上もある大物で沢山獲れた。魚は一尾も捕れなかった。

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