以下はオーストラリアのニュースサイトに掲載された記事です。6月29日の日没直前に、同国西海岸の都市・パース(地図)の海岸で目撃された現象で、約20分間にわたって見えていたとのことです。記事のタイトルは「隕石がパースの空を明るく照らしながら海に突入」です。記事本文も、この現象の原因が隕石の落下であるとの想定で書かれていますが、「気象局の広報担当者は『気象局のレーダーは隕石のように高速で動く物体を検知できない』と語っている」、「パース天文台と西オーストラリア州天文学会には連絡がつかずコメントが得られなかった」とあり、隕石落下説の確証は得られなかったようです:
- Meteor plunges into ocean lighting up Perth sky (写真2葉あり)
- Meteor plunges into ocean lighting up Perth sky (写真2葉あり)
この写真を見た天文学者は隕石落下説に対して否定的で、飛行機雲が夕日を浴びて明るく見えている可能性が非常に高いとしています。明るく輝いている雲のようなものは、大きな流星が飛んだときに残る流星痕が風に流されて拡散したときの形状に似ているが、これほど明るく大きな痕を残す流星あるいは火球の本体がまったく目撃されていないのは不審だし、そのような流星や火球だとしたらもっと長い痕を残すはずだというわけです。
以下の記事には、飛行機雲だと断定する複数の目撃者の証言が掲載されています:
証言内容は以下のとおりです:
I was at the beach 2 hours over the entire sunset. It was definately not a meteor. it was a plane's vapour trail, and was ordinary about 20 minutes before that photo was taken. It was just the sunset that made it look so "fiery".
私は日が暮れるまで2時間ほど海岸にいました。絶対に、あれは流星なんかじゃありません。あれは飛行機雲です。(新聞に掲載された)写真が撮影されたときよりも20分ぐらい前までは普通の(飛行機雲の)形をしていました。あんなに明るく火のように見えたのは夕日に照らされていたからに過ぎません。
他の目撃者も、普通の飛行機雲が徐々に変形しながら明るさを増していった様子をずっと見ていて同様の証言をしています。そして、〝I'll be surprised to hear if it actually was a meteor〟(あれが実は流星だったなんて言われたら驚く)と語っています。
夕日に照らされて明るく輝く飛行機雲は、しばしばUFOや地震雲と誤認されます。某演歌歌手がビデオ撮影した映像がテレビでUFOだとして何度も紹介されたので、ご覧になったかたも多いと思います。阪神淡路大震災の前の1995年1月9日夕方と16日夕方に撮影されたいわゆる〝竜巻雲〟もこの類いであろうと私は考えています。
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