2009年8月4日火曜日

「透明マント」で地震波をやり過ごす

建物を地震波に対して「透明」にすることによって地震の被害をなくす方法を、イギリスとフランスの研究者が発明したとのことです:
記事をまとめると以下のとおりです:
地震波には実体波(P波、S波)と表面波(レイリー波、ラブ波)がある。このうち、大きな被害をもたらすとされる表面波に対して建物を「透明」にする(表面波を無害に通過させる)装置が発明された。

地震、太陽光線、ラジオ放送などは波で伝播するという共通点を持っている。発明のきっかけを与えたのはステルス航空機である。ステルス航空機は、特殊な形状に加工された特別の材料で表面を覆うことによって、レーダーの電波を吸収したり、レーダーとは違う方向にそらせてしまう。

地震波に対しても同じことができる。プラスチックや銅など、さまざまな柔軟性と剛性と持った材料から作られた多層の同心円状のリングからなる装置によって、地震波を無害にそらしてしまうことができる。

地震波の周波数の特定の範囲に対して 1対のリングが使われる。1対のリングはその周波数の揺れに対して上下に曲がるように運動し、装置に到達した地震波をもとの大きさのまま装置の外に放出する。この装置は地震波を反射するのではない。装置に到達した地震波は、装置がなかったときと同じ波形と強さで装置の後側から出ていく。複数のリング対を組み合わせることによって、広い範囲の周波数に対応することができる。

装置を構成するリングは、地震波を吸収したり、地震波の向きを変えることによって、リングの中央部を地震から保護する。将来の建物は、基礎にこれらのリングを設置して地震から守られるようになる。
上記記事の説明図にあるように、このリング状の装置を建物の基礎となる柱に使うと、柱が存在しなかったかのように地震波が通り過ぎていくことがわかります。