2011年12月4日日曜日

カトラ山の噴火切迫? ― アイスランド

12月2日、イギリスの公共放送 BBC が、アイスランドのカトラ山の噴火が切迫しており、もし噴火がおきた場合には地球規模の影響が出ると報じました:

他の多くのメディアも追従して同様の内容を伝えました。以下はその例です:

一方、アイスランドは冷静に BBC の報道を批判しています:

アイスランドの『IceNews』は上掲の記事の中で次のように書いています:
While the BBC article is nearly all true, geophysicists in Iceland point out that the phrase “an eruption may be imminent” means very little. An eruption could happen next week, or Katla may continue to rumble quietly for several more years before blowing. 
BBC の記事は大筋では正しいが、アイスランドの地球物理学者は(BBCが記事に書いた)〝an eruption may be imminent (噴火が間近に迫っているかも知れない)〟という文言に大した意味はないと指摘している。カトラ山は来週噴火するかも知れないし、今のように小規模な地震がおきる状態をさらに何年も続けてから噴火するかも知れない。

以下はアイスランド気象局のサイトにあるアイスランド南部の震央地図です。5分ごとに更新されます:

地図で〝Mýrdalsjökull〟(ミルダルスヨークトル)という文字の下にある楕円形がカトラ山のカルデラです。左隣にある小さな氷河が〝Eyjafjallajökull〟(エイヤフィヤトラヨークトル)で、昨年、ヨーロッパの航空路を大混乱に陥れた噴火はここでおこりました。

エイヤフィヤトラヨークトル氷河の噴火の少し前から、私はこの図をほぼ毎日見ていますが、ここ数週間、特に大きな変化はありませんでした。昨年に比べるとカトラ山のカルデラ内で起きる地震の数が増えていることは確かですが。


(12月6日付「カトラ山の噴火切迫? ― アイスランド (続報)」 も参照してください。累積地震数のグラフがあります。)


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