NHKの記事です。2024年4月に「おはよう日本」などで放送された内容とのことです:
- イルカやクジラ漂着は地震の前兆ではありません…関係性を大調査 (動画、写真あり)
「漂着と地震に関係があるとは考えていません。ただ、東日本大震災の前のケースだけでなく、2011年のニュージーランドで発生した地震の前にも、100頭近いクジラが漂着したという報告もあるんです。あれほどの大きな地震であれば、なにかしら影響があるかもしれない、というのは研究者の1人としても興味はあるので調べています。それでも、漂着する数や場所と地震の発生場所の分析から、地震に影響があるとする根拠はないのが現状です」(国立科学博物館・田島木綿子さん)
私が疑問に思うのは、検証に使用したデータベースに記録されている事例の多くは鯨類の死骸の漂着である点です。死骸は海流や風の影響を受けて流され、漂流する時間もさまざまなので、漂着場所や日時はほぼランダムになると考えられます。「特定の場所に偏っているわけではなく、日本全国で報告されています」というのは当たり前ではないでしょうか。そこから、「仮に漂着などが大地震の前兆だということであれば、日本全国で常に大きな地震が起きていないと整合性がとれません」と結論づけるのは飛躍しすぎだと思います。ノイズまみれのデータを使った検証と言うべきではないでしょうか。死骸の漂着を除外して、鯨類が生きた状態で能動的に座礁するなり、港湾に迷い込むなりした事例に限るべきだと考えるのは私だけでしょうか。