2017年8月10日木曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-172)


八ヶ岳南麓天文台の串田氏が 8月10日16:30 付けで更新情報を出しています ―― これまで観測されていた火山活動前兆と、8月9日から10日にかけて焼岳で発生した空振をともなう地震や噴気との関連について述べています:

▼ 火山前兆と焼岳の火山活動について
  • 7月、全観測点(八ヶ岳、秋田、高知)にN型火山前兆が同期して出現(N型火山前兆の波形については更新情報の右上の図を参照してください)。7月11日は顕著、7月12日と13日は微小、7月14日は再び顕著。(7月12日に「地震前兆検知公開実験」参加者限定の観測情報で配信)

    • N型火山前兆が複数日にわたって顕著に出現した場合は、微小噴火、水蒸気噴火も含めて火山活動が噴火に至る過去例がある。

    • 7月に観測されたN型火山前兆は、過去の噴火に至ったN型火山前兆と比べると変動値が弱いが、複数日にわたって出現していることから噴火に至る可能性も否定できないことを配信。

  • 顕著なN型火山前兆のほかに、火山活動と相関のある弱いL型前兆が6月9日から断続的に出現。

    • L型、N型を総合して、6月9日初現・7月11日極大として火山関連活動によく見られる経験則 [初現~極大]:[極大~活動開始]=1:1 を適用すると 8月12日±4日が算出される。

  • 本日(8月10日)気象庁から、8月10日の午前00時少し前(8月9日23時50分)から午前2時ごろにかけ、推定領域内火山である長野県と岐阜県境界の焼岳で、空振をともなう地震が6回観測され、山頂から西側約400mの山腹から噴気が約100m程まで上がる状態が観測された、との発表があった。

  • センターチューニング法によるFM電波の観測では、火山前兆についてはある程度の広がりを持った領域を推定することが可能だが、火山を個別に識別できるわけではない。

  • 7月に観測された火山前兆は、推定火山領域がNo.1778前兆の推定領域内であることから、(1)No.1778前兆に対応する地震が火山近傍で発生する可能性や、(2)地震活動に関連して火山活動が活発化する、などの可能性を検討した。しかし、(3)たまたまNo.1778前兆の第24ステージ中に火山前兆が出現しただけの可能性もあり、No.1778前兆に対応する地震に関連した火山前兆であるとは断定できない。

  • 観測された火山前兆からはもう少し大きな火山活動の可能性も考えられるが、火山前兆については地震前兆のような経験則が未だ明確ではないので、なんとも言えない。

  • 今回の空振をともなう地震と噴気だけが火山前兆に対応する活動である可能性もあるが、8月16日± または 8月23日± に噴火活動に至る可能性も完全には否定できない。8月7日にL型前兆が出現していることから、本格的な火山活動はまだ先である可能性も否定困難。8月26日ごろまでにさらに活発な活動がない場合には、今回の活動が火山前兆に対応する活動と認識できる。

  • 火山前兆が焼岳火山活動の活発化に対応しているものであるならば、No.1778前兆に対応する地震の推定領域について、御嶽山・乗鞍岳・焼岳領域周辺が考えやすいという可能性は低くなる。その一方で、No.1778前兆には火山近傍を示す前兆も含まれているので、御嶽山・乗鞍岳・焼岳領域と白山領域での可能性はまだ否定できない。

  • 8月7日の弱いL型前兆以降、火山前兆は出現していない。

▼ No.1778前兆の現状
  • 前回の更新情報で述べた可能性のうち、9月22日± に地震発生となる可能性が考えやすい状況で推移中。

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