2014年6月16日月曜日

小惑星 2014 HQ124 の姿


Credit: NASA/JPL-Caltech/Arecibo Observatory/USRA/NSF 

5月21日付「小惑星 2014 KH39 が地球接近」の末尾で触れた大形の小惑星〝2014 HQ124〟のレーダー観測画像が公開されました。同小惑星は 6月8日に地球に125万km(地球から月までの平均距離の3.25倍)まで接近しましたが、NASAは最接近の直後からカリフォルニア州ゴールドストーンの直径70mの深宇宙ネットワーク望遠鏡や、プエルトリコにある直径305mのアレシボ電波望遠鏡などを連携させてレーダー観測をおこないました:

連続画像の最初の5枚(最上段の5枚)は、ゴールドストーンから発射した電波をアレシボの巨大な電波望遠鏡で受信したもので、輝度が高く最も鮮明な画像になっています。各画像の解像度は3.75mです。観測は4時間にわたっておこなわれ、21枚のレーダー画像が得られました。この間に、HQ124 までの距離は139万kmから145万kmまで変化しています。

画像から、HQ124 は細長いピーナツのような形をしていることがわかります。大きなくぼみがあり、底部には鋭い縁を持った2つの突出部も見えます。地球の近くまでやって来る小惑星の約6分の1がこのようなピーナツ形をしているとのことです。

2つの小惑星が接触し合体したまま1つの天体のように振る舞っていることから、天文学者はこのような小惑星を〝contact binary〟(あえて日本語に直すと「接触連星」)と呼んでいるとのことです。日本の小惑星探査機「はやぶさ」が訪れた小惑星イトカワ(〝25143 Itokawa〟または〝1998 SF36〟、画像)もこのタイプであると考えられています。

今回のレーダー観測によって、HQ124の長径は約400m、短径はその半分程度を判明しました。接近前に示されていた推定値は 400~900m でしたから、その下限に近い大きさです。小惑星の大きさの推定は、観測した明るさと距離にもとづいておこないます。実際の大きさが推定値の下限に近かったということは、HQ124の表面の反射率が小惑星の平均よりも高かったということを意味しています(小さいのに明るく見えた)。


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