5月 30日(土)午後 7時ごろ、京都府宇治市伊勢田町でヘビが原因と見られる停電が発生しています。ヘビは地上 12m にある開閉器に入り込んだとのことです。伊勢田町では今月 12日にも、ヘビが開閉器に入り込んで停電が発生しています:
過去の類似事象も参照してください:
2009年5月29日金曜日
ラドン予知の真相
私の見るところ、批判は 2つのポイントに集約されます ―― (1)過去 20年以上の研究によって、地震とラドン・ガスの濃度には明瞭な相関がなく、地震予知には使えないことが明らかになっていること、(2)ジュリアーニ氏の予知は、地震予知の 3要素のうち、少なくとも発生時期と場所が大きく外れており、同氏の予知どおりに当局が住民を避難させていたら被害がさらに大きくなっていた可能性があること。
以下は、そのような検証記事の代表例です(4月25日付の記事ですが、残念ながら現時点でリンク切れになっています):
以下に上記記事から抜粋・意訳します:
科学者たちは、ラドンが地震の警告シグナルである可能性があるとして 1970年代から研究してきた。地震の前にラドンの放出が認められたいくつかのケース ―― たとえば、1995年に日本の神戸で起きた地震の前には、地下水に含まれるラドンのレベルが通常の 10倍に跳ね上がった ―― が確認されたが、全体としては地震とラドン・ガスの相関は地震予知に使えるほど強くもなければ十分でもなかった。さらにジュリアーニ氏の予知について記事は次のような見方を伝えています:
1979年には、混乱を引きおこすようなラドン・シグナルの事例が発生した。カリフォルニア州南部に設置されたラドン検知器(互いに 30km 離れて設置)が、その年の夏の初め頃から異常に高いレベルのラドンを記録し始めた。ラドンのレベルは 10月になると低下し、そのすぐ後に 3つの地震が発生した。
一つ目の地震は M6.6 で、(検知器から?)南東に 290km 離れた場所が震源だった。残り 2つの地震は M4.1 と M4.2 で 65km 離れた場所で発生した。小さい方の地震の一つに近い位置にあったラドン検知器では、ラドンのレベルの上昇が認められなかったばかりか、地震の数日前には逆にラドン・レベルが通常より低下したことを記録していた。
この事例は科学者たちを困惑させた。ラドン・レベルの上昇と下降からどのような予知を引き出せば良いのだろうか。地震の前に検出されることがある二酸化炭素など他のガスや電磁気発生についてのデータも同様に困惑させるものであった。
ジュリアーニの予知は地震の発生時期と場所が外れていた。彼は実際の地震よりも少なくとも 1週間早い時期に、実際の震央より 50km 離れた町(スルモナ Sulmona)で地震が起きると予測していた。もし当局がジュリアーニの予知を真に受けて対策を講じていたとしたら、間違った町の住民を間違った時期に避難させることになっただろう、とカリフォルニア大学バークレー校の地球物理学教授 リチャード・M・アレン(Richard M. Allen)氏は語っている。上記のような見方はほとんどの専門家に共通しているようです。以下は、Kim Hannula という女性の地質学教授のブログ記事です:
このブログでは、ジュリアーニ氏の予知の不適切さについて次のように指摘しています(意訳しています):
地震予知の 3要素(時期、場所、規模)の情報は、緊急事態に際して避難指示を出す立場の責任者にとって非常に重要である。小さな地震は毎日世界のどこかで発生している。地震が人びとに影響を与えるのは、人びとが住んでいる場所の近くで地震が発生するか、地震の規模が大きい時だけである。もしあなたが避難指示を出す立場だったとしたら、地震が起きなかった場合には、いつ避難指示を解除できるかも知っていなければならない。上記のような見方は多くの専門家に共通しているようです。地震予知に求められる厳しい条件を物語っています。
この最後のポイント、つまり地震の発生時期がジュリアーニ氏の地震予知の最大の問題点である。いくつかの報道によると、ジュリアーニ氏の予知は地震発生時期として 3月 29日の 24時間を指定していた。仮に、彼のラドン測定値が今回発生した地震と関係があったとしても、彼の予知技法は地震発生のタイミングを誤っていた。さらに加えて、地震発生場所も明らかに間違っていた。彼の予知した場所は、実際の震央から 50km(注 1) 離れたスルモナ(Sulmona)という町だった。米国地質調査所(USGS)の公開している今回の地震の震度分布地図では、ラクイラから 30km 離れた場所のメルカリ震度は "V"(注 2)であり、建物が壊れたり、死傷者が出る可能性は低かった。予知の 3要素のうちの 2つが間違っていた。もしスルモナの住民が、ジュリアーニ氏の(ラウド・スピーカーなどによる)警告にしたがって(震源により近い)ラクイラに避難していたら、どんな事態が生じていただろうか。
当局がジュリアーニ氏の警告を真に受けず、さらに同氏がインターネット上で公開していた警告を削除させたことは、結果的に妥当な判断だったということになりそうです。
過去の関連記事:
(注 1) ブログの原文では「30km」となっていますが、他の報道では 50km となっており、また私が実際に地図で測定したところでは約 54km でしたので、50km に改めました。
(注 2) USGS の記述によると、メルカリ震度階の "V" は「ほとんどの人が揺れを感じる。多くの人が目を覚ます。いくつかの皿や窓などが破損する。不安定なものが倒れる。振り子時計が止まる」となっています。建物の構造などが違うので単純には比較できませんが、日本の気象庁震度階級の震度 3 から 4 程度に相当するのではないでしょうか。
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency
2009年5月27日水曜日
二足歩行ロボットによる月面探査
「宇宙基本計画(案)」に盛り込まれた二足歩行ロボットによる月面探査に批判が集中したようです:
私も新聞報道で「宇宙基本計画(案)」の概略を知ったとき、「ん?」と思ったのが二足歩行ロボットの件でした。探査車ではなく二足歩行ロボットを送り込むことにどういう意味があるのか、技術的にまだまだ問題が多すぎる等々、はなはだ疑問に感じると同時に、ひょっとしたら意外に良いアイディアかもとも微かに思いました。元宇宙飛行士の毛利衛さんの提案だったことは今回の報道で初めて知りました。
計画案の詳細は以下にあります(pdf形式):
私も新聞報道で「宇宙基本計画(案)」の概略を知ったとき、「ん?」と思ったのが二足歩行ロボットの件でした。探査車ではなく二足歩行ロボットを送り込むことにどういう意味があるのか、技術的にまだまだ問題が多すぎる等々、はなはだ疑問に感じると同時に、ひょっとしたら意外に良いアイディアかもとも微かに思いました。元宇宙飛行士の毛利衛さんの提案だったことは今回の報道で初めて知りました。
計画案の詳細は以下にあります(pdf形式):
2009年5月26日火曜日
史上最大の竜巻観測プロジェクト
プロジェクトの目的を手短に言うと、竜巻を発生させるサンダーストーム(激しい雷雨)とそうでないサンダーストームの違いを明らかにすることです。
前回の VORTEX プロジェクトは、1994年から 1995年にかけて実施されました。このときの観測で得られたスーパーセル(竜巻を発生させるような激しく長時間継続するサンダーストーム)についての貴重なデータによって、米国気象局(NWS)が、竜巻発生の遅くとも 13分前までには竜巻警報を出せるようになったと言われています。
今回の VORTEX2 は、前回よりも格段に進歩した観測機器を大量に投入して実施されるため、竜巻予報の精度向上に役立つ大きな成果が期待されています。
以下のページには、VORTEX2 の研究責任者であるロジャー・ワキモト博士(日系人?)のインタビュー・ビデオと、VORTEX2 の観測機器や観測態勢を説明したアニメーション・ビデオが掲載されています:
私もアメリカで何度か竜巻に遭遇したことがあります。一番恐怖を感じたのは、東海岸の出張先で夜 9時過ぎまでオフィスに残って仕事をしていたときのことです。いきなり、館内に警報サイレンが鳴り響き、竜巻がこちらに向かってきているので至急シェルターに避難せよという警備室からの放送が流れました。シェルターの場所などまったく知りません。夜 9時過ぎまで残っているようなアメリカ人がいるはずもなく、周りには誰もいません。窓から外を見ても真っ暗闇で何も見えません。広大な敷地にオフィスが点在しているので、警備室も自動車を使わないと行けないほど離れています。このときの恐怖感とその後の顛末については、長くなるので稿を改めて書こうと思います。
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency
気味の悪い動物の正体は?
長崎県雲仙市で捕獲された動物の写真が載っています。怖い顔をしています。夜道でこういう動物に遭遇したくありません:
今回は捕獲されたことで正体が判明したわけですが、もし捕獲されず目撃情報だけであったら、雲仙周辺には謎の肉食動物が棲息しているという「伝説」のもとになっていたかも知れません。
今回は捕獲されたことで正体が判明したわけですが、もし捕獲されず目撃情報だけであったら、雲仙周辺には謎の肉食動物が棲息しているという「伝説」のもとになっていたかも知れません。
ヘビが原因の停電 新潟県
25日(月)夕方、新潟県でヘビが鉄塔に登り送電線に触れたことが原因で停電が発生しています:
感電死したと見られるヘビの死骸が見つかったのは、地上約 25m のところです。
過去の類似事象も参照してください:
感電死したと見られるヘビの死骸が見つかったのは、地上約 25m のところです。
過去の類似事象も参照してください:
2009年5月25日月曜日
北朝鮮の地下核実験
米国地質調査所(USGS)の資料によると、爆発が起きたのが日本時間午前 9時 54分 43秒、北朝鮮国内の「震源」から P波が日本の各地に届くには、おおよそ 2分 15秒から 2分 30秒ほどかかるので、9時 57分前後には初動が到達していることになります。
以下は、核実験によると見られる波形が比較的識別しやすい地点の連続波形グラフです。各グラフの下の方、9時 56分から 57分のあたりに核実験のものと思われる波形が現れています:
(上記連続波形の公開期間は 2週間です。したがって 6月8日午前 9時以降は、上記のリンクは無効になります。)
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency
ハッブルへの最終ミッション
日本時間 25日(月曜)午前 0時 40分、スペースシャトル・アトランティスが地球に帰還しました。着陸予定地のフロリダ州ケネディ宇宙センターが荒天のため、軌道上で 3日間待機しましたが天候が回復せず、機内の電気や空気が尽きかけたため、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地に着陸しました。
アトランティスの機体は、着陸した西海岸のカリフォルニアから南東部のフロリダまで、特別仕様のボーイング 747 の背中に乗って空輸されることになります。この空輸の費用が 2億円近くかかるため、NASA は最後の最後までフロリダへの着陸に希望をつないでいました。
今回のアトランティスのミッションは、打ち上げから 19年が経過したハッブル宇宙望遠鏡の機能向上と保守です。宇宙飛行士による長時間の船外活動によって、新しい観測装置の取り付けや、古くなった装置の交換がおこなわれました。今回の作業によって、ハッブルは少なくとも 2014年までは運用が可能となりました。ハッブルへのスペースシャトルの飛行は、今回が 5度目で最後です。今後は、故障が起きても修理されることはありません。「歴史を通じておそらく最も重要な科学装置」と呼ばれるハッブル宇宙望遠鏡ですが、その最終的な運命は、2020年以降に無人のロケットによって大気圏まで曳航され燃え尽きることになっています。 その時のためのドッキング装置も今回の作業で取り付けられました。
すでに何度か紹介したことのある『ボストン・グローブ』紙の “The Big Picture” が今回の宇宙飛行の写真集を掲載しています:
私のお薦めの写真は次のとおりです(番号は各写真の左下に記されているものです):
6 工具の数々
アトランティスの機体は、着陸した西海岸のカリフォルニアから南東部のフロリダまで、特別仕様のボーイング 747 の背中に乗って空輸されることになります。この空輸の費用が 2億円近くかかるため、NASA は最後の最後までフロリダへの着陸に希望をつないでいました。
今回のアトランティスのミッションは、打ち上げから 19年が経過したハッブル宇宙望遠鏡の機能向上と保守です。宇宙飛行士による長時間の船外活動によって、新しい観測装置の取り付けや、古くなった装置の交換がおこなわれました。今回の作業によって、ハッブルは少なくとも 2014年までは運用が可能となりました。ハッブルへのスペースシャトルの飛行は、今回が 5度目で最後です。今後は、故障が起きても修理されることはありません。「歴史を通じておそらく最も重要な科学装置」と呼ばれるハッブル宇宙望遠鏡ですが、その最終的な運命は、2020年以降に無人のロケットによって大気圏まで曳航され燃え尽きることになっています。 その時のためのドッキング装置も今回の作業で取り付けられました。
すでに何度か紹介したことのある『ボストン・グローブ』紙の “The Big Picture” が今回の宇宙飛行の写真集を掲載しています:
私のお薦めの写真は次のとおりです(番号は各写真の左下に記されているものです):
6 工具の数々
ハッブル宇宙望遠鏡の機能向上や保守の作業で宇宙飛行士が使う工具の写真です。無重力状態でネジを回そうとすると、反作用で宇宙飛行士が逆向きに回転してしまいます。そこで、ドライバー(ネジ回し)には反作用を打ち消す機構が組み込まれています。7 2機のシャトル
今回の船外作業では、ハッブルに取り付けられているネジの一つが固着していて、これらの工具ではどうしてもはずせないという事態が起こりました。このネジをはずさないと、ハッブルの外壁をあけて内部の作業がおこなえないということで、たった 1つのネジをはずすために 1時間以上の悪戦苦闘が続けられました。しかしネジは回らず、最終的に NASA が地上から宇宙飛行士に与えた指令は「力ずくで取り外せ」というものでした。具体的にどのようにしたのか、報道からはわかりませんが、“brutal force” ― つまり腕力をつかって部品をむりやり取り外したとのことです。
打ち上げ準備中のアトランティスです。奥にもう 1機、これも打ち上げ準備中のスペースシャトル・エンデバーが見えています。2機のシャトルの打ち上げ準備が同時におこなわれることはまれです。エンデバーはアトランティスの救助用に準備されています。18 太陽面を通過
通常の国際宇宙ステーション(ISS)への飛行任務では、シャトルの機体に致命的な障害が発生しても、乗組員は ISS に避難して救助を待つことができます。ISS には空気や食料の備えが十分にあります。しかし、ISS よりも高い軌道を回るハッブル宇宙望遠鏡に接近するミッションでは、燃料の制約があり、非常時に ISS に避難することができません。非常事態が発生してから救助用のシャトルの打ち上げを準備していては、アトランティス船内の電力や空気が尽きてしまう恐れがあるため、あらかじめ救助用としてエンデバーを待機させることになっています。
アトランティス帰還後は、エンデバーは救助用待機のミッションを解かれ、次回のミッションに向けての準備がおこなわれます。次回のミッションでは ISS まで飛行し、物資を補給し、滞在している日本の若田宇宙飛行士や他の飛行士を地球に連れ帰る予定になっています。
太陽面を通過するアトランティスとハッブルを地上の望遠鏡で撮影した写真です。このような写真を撮影するには、撮影場所と時刻を周到に計算する必要があります。太陽の表面に黒点がまったく見られないことにも注目してください。同じ撮影者が公開している写真集が以下にあります:22 捕まえた!
26 ハッブルと飛行士ハッブル宇宙望遠鏡をアトランティスの窓越しに撮影した写真です。アトランティスのアームがハッブル宇宙望遠鏡をつかんで、シャトルの船倉に引き込もうとしているところです。
ハッブル宇宙望遠鏡の手すりにつかまる宇宙飛行士の姿です。ハッブル宇宙望遠鏡の大きさが実感できる 1枚です。さらに別の写真集が以下にあります。最後の 1枚が特に印象的です。シャトルの窓越しに船内をのぞき込む宇宙飛行士を撮影したものです:
2009年5月22日金曜日
VAN 法で強震を予測 ― ギリシャ
2009年5月20日水曜日
サウジアラビアの地震が激化
最大の M5.7 の地震については、USGS のサイトに発震機構解が掲載されています。それによると、この地震は正断層型で、断層の走向は紅海の拡大軸と平行です。紅海はもともと地溝帯で、そこに海水が流れ込んだものです。ですから、その周辺に並行する正断層があることは十分に考えられることです。
以下はロイターの報道です:
この記事ではサウジ地質調査所(SGS)のデータを使っているので、マグニチュードの数値が USGS のものとは若干異なっています。記事によると、当局は地震が多発している al-Ais 火山群から 20km の範囲内の住民を避難させている、マグマのレベルが地下 8km から 4km にまで上昇してきている、また、al-Ais 火山群で噴火が起きたのは今から 700年以上前のことで、溶岩の流出範囲は火口から 18km を超えることはなかった、とのことです。
18km も溶岩が広がるというのはすごいことで、安心材料にはならないと思いますが、狭い国土の日本と広大な砂漠の広がるサウジアラビアでは、距離に対する感覚が違っているのかも知れません。
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency
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