2026年6月30日火曜日

ベネズエラ連続地震の前に赤道ジェット電流急増


6月25日(日本時間)にベネズエラで発生した大地震(M7.2+M7.5)の 1分前に、赤道ジェット電流(EEJ:Equatorial electrojet)が急増していたことが明らかになりました: 
 
赤道ジェット電流とは、磁気赤道付近の上空約 90~120km の電離圏を日中にのみ流れる、非常に強い東向きの帯状電流のことで、太陽からの放射によって生じる電場と地球の磁場が相互作用することで発生するとされています。
 
以下は上掲記事からの抜粋です —— 

(南米大陸北東部のフランス領ギアナにある)クールー磁気観測所(KOU、地図)のデータは、ヤラクイ州(Yaracuy state)を揺るがした M7.2 および M7.5 の二連地震の 60秒前に、電離層電流の変化が生じていたことを明らかにしました。この事実は、地震の予兆監視に関する重要な知見を提供するものです。
 
これまで知られていなかった事実として、地殻が破壊される 1分前には、すでに高度 100km 以上の上空にある電流が警告信号を発していたことが挙げられます。この現象は「赤道ジェット電流(EEJ)」として知られるもので、赤道上空の電離層における荷電粒子の流れです。当日は Kp 指数を乱すような磁気嵐の予報が出ていなかった(予報された嵐は発生しませんでした)ため、この変化は特筆すべきものでした。

分析にあたっては、フランス領ギアナにあるクールー磁気観測所(KOU)から情報を入手しました。同観測所は、当該期間中の磁場の分単位の変動を記録していました。データを精査したところ、太陽活動に起因する要因では説明のつかない明確な異常が発見されました。その日には磁気嵐が発生していなかったにもかかわらず、地震の直前にジェット電流が不規則な挙動を示していたのです。
 
ジェット電流は、最初の地震活動の 1分前である 22:03 UTC に異常な急増を見せ始めました。擾乱のピークは地震発生から 4分後の 22:08 UTC で、その後急激に低下しました。 

地震と電離層との関連性は、本記事の公開前に一部のコメントで指摘されたような空想や陰謀論の類ではありません。むしろ、それは確固たる物理的根拠に基づいています。
 
この発見は単独の事例ではありません。2023年のトルコ地震や2011年の東日本大震災など、過去の大地震においても、電離層の乱れが観測された例が報告されています。しかし、赤道ジェット電流において 1分間の先行時間(リードタイム)を伴う明確なシグナルが観測されたことは、早期警報システムの構築に向けた有望な可能性を切り開くものです。 
 
信号は常に明瞭とは限りません。地震の規模、震源の深さ、時刻、電離層の状態によって信号は変化します。さらに、地震信号と宇宙天気の通常の変動を区別するためには、磁気観測所が必要です。 

地震を確実に予測することはまだできませんが、電離層には、タイムリーに解釈できれば、身を守るために必要な貴重な数秒を与えてくれる秘密が隠されていることがますます明らかになっています。科学は進歩しており、今回の出来事は、地球とその大気が、私たちがようやく理解し始めたばかりの方法で相互に繋がっていることを示すさらなる証拠です。
 
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