2025年8月20日水曜日

なぜオーストラリアで地震が起きるのか

 
8月16日、オーストラリア東部クイーンズランド州キルキバン(Kilkivan)付近を震源とする M5,6、深さ 10km(Geoscience Australia)の地震が発生しました(震央地図)。プレート境界からは距離があるオーストラリア大陸内部でなぜ地震が起きるのかを解説した記事があったので紹介します:
 
記事からの抜粋です —— 
 
世界の地震多発地帯のほとんどは、ニュージーランド、日本、インドネシアなどのように、プレート境界付近にあります。このような場所では、2つのプレートが衝突したり、すべり合ったりする際に生じる巨大な力のために、地震が頻繁に発生します。
 
しかし、オーストラリアはインド・オーストラリア・プレートの内部に位置し、プレートの境界からは遠く離れています。では、なぜここで地震が起き続けるのでしょうか?
 
オーストラリアは地殻変動的には「静か」で安定しているとよく言われます。しかし、この見方は部分的にしか当てはまりません。8月16日土曜日の地震が示すように、オーストラリアでは地震が発生しており、近年の断層や地震活動に関する豊富な記録があります。
 
オーストラリアでは、平均して、 M6.0 以上の地震が約7年に1回、M5.0 以上の地震が約1年に1回発生します。最近の断層に関する地質学的研究によると、オーストラリアでは M7.5 程度の地震が発生する可能性があるとされています。
 
オーストラリアはプレート境界から遠く離れているにもかかわらず、大陸は依然として遠く離れたプレート境界における大きな力によって圧縮され、応力を受けています(地図)。これらの応力はプレートの内部にまで伝わり、蓄積していきます。
 
応力が過度に大きくなると、地殻の弱い部分(断層帯)に沿って突然解放されます。この解放が、私たちが地震として感じるものです。

下の地図は、オーストラリア大陸全体における地震と活断層の広がりを示しています。
 
最大水平応力の方向がプレートの動きと一致する傾向がある他の大陸とは異なり、オーストラリアの応力はねじれ、国土全体でさまざまな方向を向いています。大規模なコンピュータモデリングは、これがインド・オーストラリア・プレートの縁における地殻変動の複合的な影響によって説明できることを示しました。

オーストラリア・プレートは、太平洋プレートによって北と東から圧縮されています。具体的には、ニューヘブリディーズ諸島、ソロモン諸島、そしてニュージーランドからトンガにかけて広がるトンガ・ケルマデック海溝付近のプレート境界からです。この圧縮はクイーンズランド州の奥深くにまで及んでいます。
 
キルキバン付近で最近発生したようなオーストラリアの地震の原因は、遠方のプレート境界からのこうした力なのです。 

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