日本時間12月14日12時20分ごろ、インドネシア・フロレス島北方のフロレス海で M7.3、震源の深さ 18.5km の地震が発生しました(震央地図、日本の気象庁は M7.6)。フロレス島北岸では小規模な津波が観測されました。
以下は米国地質調査所(USGS)の資料にある "Tectonic Summary" の主要部分をテキトー訳したものです:
2021年12月14日にインドネシアのマウメレ(マウムル、Maumere)の北方で発生したM7.3の地震は、フロレス(Flores)海内部の横ずれ断層によって生じたものである。この地震の発震機構解は、北東-南西方向に走る左横ずれ断層、または、おおよそ東西方向に走る右横ずれ断層のいずれかが破断したことを示している。
この地震は広域バンダ弧の内部で発生した。そこでは、オーストラリア・プレートが北に向かってスンダ・プレートの下に沈み込んでいる。震源が比較的浅いことは、この地震が上盤側のスンダ・プレート内で発生したことを示している。
地震が発生した場所では、オーストラリア・プレートがスンダ・プレートに対して年速74mmの速さでほぼ北向きに移動している。
沈み込み帯の環境では、圧縮応力による逆断層や衝上断層が一般的な断層様式であるが、衝上断層上の地震で解放されないプレート境界の応力を解放するために、横ずれ断層が発生することがある。
今回のような規模の地震は地図上では点として示されることが一般的であるが、より広い断層領域での滑りとして表現するのが適切である。今回の地震の規模に対応する横ずれ断層は、通常、90km×15km 程度の大きさ(長さ×幅)になる。
今回の地震と関係するかはわかりませんが —— フロレス海の東にはバンダ海が広がっており、その海底地形は渦を巻くような形状をしています(震央地図参照)。 バンダ海とその北のモルッカ海の間には、太平洋プレートの斜め沈み込みが原動力となって、ニューギニア島を乗せた地塊が西向きに突入しており、その先端部はスラウェシ島に衝突しています(突入テクトニクス)。その影響で、バンダ海の海底は反時計回りの運動をすることになり、そのことが海底地形にも現れています。