西南極は急速に温暖化している地域の一つですが、そこにあるスウェイツ氷河(Thwaites Glacier)は 1980年代以降、5400億トンの氷を失っており、その間の世界の年間海面上昇の 4%を単独で担っているとされています。この氷河が完全に海に崩れ落ちると、世界の海面は約 65cm 上昇し、世界中の海岸地域に壊滅的な打撃を与えると予想され、「終末の氷河(Doomsday Glacier)」と呼ばれています。
8月18日付の学術誌「Communications Earth & Environment」に掲載された研究では、このスウェイツ氷河が、温暖化した大気や海水だけでなく、地熱によっても融けている可能性が示されました:
記事によると —— 西南極の地殻は東南極に比べてかなり薄く、東南極の地殻の厚さが約 40km あるのに対して、西南極の厚さは約 17~25km しかなく、上部マントルからの熱をより多く地表に放散している。このため、西南極にあるスウェイツ氷河は東南極の氷河に比べてかなり多くの地熱にさらされている。大量の地熱によって、氷河の底が完全に凍らなくなったり、氷河の表面に一定の水の膜ができたりする可能性があり、氷河の氷が地面の上を滑りやすくなり、氷河の減少がかなり加速するおそれがある。さらに、西南極氷床の端をワインのコルク栓のように塞いでいるスウェイツ氷河がなくなれば、この地域全体の氷の減少が劇的に加速し、かつてないレベルの海面上昇につながる可能性がある —— とのことです。
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