2025年7月2日水曜日

イエローストーンの間欠泉が「異常」噴出 (続報-175)

 
米国イエローストーン国立公園の 6月の状況です。
 
6月にはスティームボート間欠泉(地図)の噴出はありませんでした。2025年にはこれまでに2回の噴出が発生しています —
 
日付(現地時間) 間隔(日)
1
2月3日 72
2 4月14日 70
 
 
6月の地震活動は通常のレベルでした。60件の地震が観測され、最大は 6月4日に発生した M2.7 でした。群発地震の発生はありませんでした。
 
イエローストーン・カルデラでは、毎年夏季に見られる沈下の停滞(またはわずかな隆起)への移行が観測されています。これは、雪解け水や地下水の季節変化によって引き起こされるものです。昨年 10月以降の通算沈下量は約 3cm です。この沈下パターンと沈下率は、2015年から 2016年にかけて始まった傾向が続いているものです。
 
ノリス間欠泉盆地付近では、昨年の夏の終わり以降、約 1cm の沈下が観測されていましたが、過去数か月間は顕著な地盤変動は観測されていません。
 
6月12日朝、ビスケット盆地(地図)のブラック・ダイヤモンド・プール(昨夏の熱水爆発の現場)で小規模な噴出が発生しました(下記動画): 
 
 
 

山口県萩市の群発地震 途絶える

 
6月8日付「3600回超える — 山口県萩市の群発地震」の続報です。
 
今年2月ごろから山口県萩市の山間部で続いていた微小な地震の発生が、6月29日から途絶えています(7月2日05時現在)。最後の地震は、6月29日00時00分に発生した M0.0、深さ 27km です(震央地図、気象庁の震源リストより)。 一時的な休止かもしれません。
 
 

2025年7月1日火曜日

ツングースカの爆心地

 
6月30日は国際小惑星デー(International Asteroid Day)でした。1908年6月30日に発生したツングースカ大爆発に因むもので、小天体の地球衝突の危険性を啓発するさまざまな催しが行われました。
 
以下は、米国地質調査所(USGS)が運用する地球観測衛星ランドサット8号が2024年7月に撮影したツングースカの爆心地の画像です:
1908年6月30日の早朝、直径50~100メートルと推定される天体が大気圏に突入し、シベリアの上空で爆発して鮮やかな火球を生み出しました。この爆発は空中爆発であり、現在のクラスノヤルスク地方エヴェンキイスキー地区の地表から約6~10キロメートル上空で発生したとみられ、飛来した天体の大部分を蒸発させ、数百平方キロメートルにわたって木々を倒したり焼け焦げさせたりしました。

前兆:大地震前にスロースリップの発生周期短縮 (続報)

 
 
先日の国土地理院の発表を、Q&A 形式でわかりやすく解説した記事です。
 
「どうして間隔が短くなったの?」、「スロースリップの間隔が短くなるのは、地震を起こす場所の固着が弱まっている影響と考えられていて、地震が起きるシグナルと考えられるかもしれないようです」:
 
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カンピ・フレグレイで M4.6 — イタリア

 
現地時間6月30日12時47分(日本時間同日19時47分)、イタリアのナポリ近郊の火山地帯カンピ・フレグレイ(フレグレイ平野)で M4.6 の地震がありました(震央地図)。この地域で過去40年間に記録された中では最大の地震とのこと:
震源地はバコリ地区(深さ5km)で、ナポリでも揺れがはっきりと感じられた。多くの人が通りに避難し、鉄道の運行が予防措置として一時中断された。

このマグニチュード 4.6 の地震は、フレグレイ地域で過去40年間に記録された最大の地震であり、3月13日夜に発生した地震と同等の規模である。
 
Wikipedia によれば、カンピ・フレグレイは多数の火砕丘を含むカルデラで、再び大規模噴火を起こす可能性が警告されている超巨大火山です。近くにはヴェスヴィオ火山やポンペイがあります。
 
 
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