2020年11月29日日曜日

小惑星 2020 SO は人工物体

12月1日、小惑星〝2020 SO〟が地球に接近します。

小惑星 推定直径
(m)
接近日時
(日本時間)
接近距離
(LD)
2020 SO5~10 (地球)12月01日 17:47
 (月)12月23日 04:11
0.13
2.16
(1LD=地球から月までの平均距離) 

この小惑星は9月9日に発見され、アポロ群に分類されています。 接近時の地球との相対速度は非常に遅く秒速 3.9km(時速約 1万4000km)と予報されています。

この小惑星は、地球とほとんど同じ軌道で地球より少しだけ外側を地球に寄り添うように移動していましたが、11月8日に地球の引力が優越する領域に入り、11月10日に地球を周回する軌道に乗りました。
 
この天体の軌道が、一般の小惑星とは違って地球と非常に似通っていること、重力だけではなく太陽光の影響を受けており密度が非常に低く中空の構造であると考えられることなどから、NASA ではこの天体は過去の探査機打ち上げに使われたロケットの一部であると考えています。
 
この天体の軌道を過去に遡って調べたところ、1966年に月面軟着陸を目指しながら月面に激突してしまった探査機サーベイヤー2号(Surveyor 2)の打ち上げに使われたセントール・ロケットの上段ブースターである可能性が高いとのこと。

半世紀以上にわたって宇宙を放浪した末に地球のそばに戻ってきたブースターは、2021年3月までゆっくりと地球の周りを2周ほどした後、新たな太陽公転軌道に入るものと予測されています。地球を周回中に分光器などを使って、この天体が人工物体であることが確認される見込みです:
 
このブログでは、原則として地球から2LD以内に近づく小惑星を記事にしています。2LDよりも離れたところを通過する小惑星まで含めると、毎日数個は地球に接近しています。直径が1kmを上まわる大きな小惑星は、概ね30LDよりも遠いところを通りすぎて行きます。白亜紀末に恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星(あるいは彗星)の直径は少なくとも10kmはあったと推定されています。


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