警戒レベルが〝RED〟になったキラウエア山について、ハワイ火山観測所(HVO)の現地時間5月16日14時35分(日本時間17日09時35分)付 STATUS REPORT によると ――
- キラウエア山頂では強い地震が頻発している。これは、継続している山体の収縮と溶岩柱(lava column、火口に通じる火道の中の溶岩)の低下に起因している。
- 5月16日午後現在、キラウエア・カルデラの底面は 90cm 沈降している。この変動がキラウエア・カルデラ周辺の断層(複数)に圧力を及ぼし強い地震を発生させている。これまでの最大はマグニチュード 4.4。
- HVOやハワイ火山国立公園の職員、近隣住民からは頻繁な揺れや、道路と建物の被害が報告されている。
- ハワイ郡警察は、ハイウェイ11号線の標識28と29の間に亀裂が見つかった、と報告している。まだ、通行は可能であるが、運転者は注意するよう呼びかけられている。
- 山体の収縮の継続にともなって、キラウエア火山の山頂周辺での強い地震の発生が続き、発生頻度も高まると予測される。
- 多発している地震は震源が浅いため、震央の近くでは被害が大きくなる。各個人は揺れによる被害を最小にするために備える必要がある ―― 壁や棚から不安定な物品を取り除くなど。急な坂や斜面は強い地震によって不安定になるので近づかないように。
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