米国・国防総省傘下の AARO(全領域異常解決局)が議会上院の委員会に提出した動画に写っていた銀色の球体の正体が、調査報道団体・ベリングキャットのオープン・ソース・インテリジェンスによる調査によって判明したようです:
- Mystery Behind 'Pentagon UFO Video' Appears to Have Been Solved
- Has the Mystery Behind One of the U.S. Military’s UAP Videos Been Solved? (写真あり)
以下は『Newsweek』誌の記事の要旨です:
- 今年初め、国防総省に新たに設置された全領域異常解決局(AARO)の局長は、機密解除された 2本のビデオを上院軍事小委員会で開示した。そのうちの 1本は 2022年にドローンで撮影されたもので、中東を飛行する謎の球体が写っていた。
- その後、オンラインで広く公開されたこの動画には、銀色の物体が空中を移動する様子が写っている。
- AARO の声明によると、物体は異常な動作を示してはいないものの、それが何であるのか、まだ特定されていない。
- オープン・ソース・インテリジェンスによる調査団体・ベリングキャットが、中東で記録された物体が何であったかを推定することに成功した。同団体が発表した報告書は、複数のオンライン・リソースと計算を使用して、それが単なる風船であった可能性があると判断している。
- ベリングキャットは、動画内に見られる建物などの特徴と Google Earth の画像で使用されている特徴を照合して、動画の撮影場所をシリアの都市デリゾール(地図)の北東の地域と特定した。
- 建物や物体の相対的な寸法に基づいて物体の大きさを 0.43 メートル未満であると推定した。
- ベリングキャットは、物体の速度は視差錯視の結果である可能性があり、当該物体に対するドローンの速度によって、物体がまったく動いていないのに動いているような印象を生み出した可能性があると示唆している。
- 映像では物体が高速で動いているように見えても、それはドローンと物体双方の速度差と高度差に起因する一種の錯覚であり、物体がドローンに対して静止しているか非常に低速であることを覆い隠している可能性がある。
- ベリングキャットの報告書には、距離、高度、速度、カメラの焦点が合っている場所によって、実際に見ているものの感覚がどのように変わるかを読者がテストできる視差計算ツールが含まれている。このデータに基づいて、考えられる高度、物体の大きさ、その他の状況を考慮すると、この UAP が風船である可能性が非常に高いことがわかる。
- 動画が撮影された当日は、風船などを含む贈り物を使って祝われるイスラム教の主要な祝日であった。