11月10日午前10時00分ごろ、神奈川県東部を震源とする M4.2、震源の深さ 110km、最大震度 3 の稍深発地震がありました(速報値、震央地図)。
震央付近では、沈み込んでいるフィリピン海プレートの上面の深さが 20km 前後、太平洋プレートの上面の深さが 100km 前後なので、今回の地震は太平洋プレートのスラブ内部で起きたものではないでしょうか。
X(旧ツイッター)を見ると、神奈川県東部の地震は珍しいという投稿が目立ちます。以下のグラフは、神奈川県東部を震源とする有感地震(震度 1 以上)の過去 30年間の件数を示したものです(気象庁の「震度データベース検索」を使用、今回の地震は含んでいません):
30年間で計 68 件 ですから、年間 2.3 件となります。今年は、1月26日と 9月5日にも神奈川県東部を震源とする地震が起きています。68件の内訳は、震度 1が 42件、2が 18件、3が 5件、4が 3件です。震度 5以上は起きていません。また、神奈川県西部では同じ期間に 216件の地震が発生しています。
今回の地震は震源が深いので、あまりはっきりはしていないものの、震度の分布が震央から北東方向に偏る異常震域現象が現れているようです(震度分布図)。
今回の地震の震央は東京都との境界に近いので、2日後に発表される暫定値では「神奈川県東部」ではなく「東京都多摩東部」になるかも知れません。
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