男性の皆さんに朗報です。といっても新薬として実用化されるまでには、まだ何年もかかるようですが。詳しくは下記記事をお読みください:
上の記事の翻訳ではありませんが、ほぼ同じ内容の日本語記事があります:
硫化水素ガスを使った自殺や巻き添え被害が社会問題化しましたが、バイアグラの替わりに硫化水素を使おうとする人が出ないように願います。そんな人の巻き添えになるのはたまらなく嫌です。それにしても、硫化水素で元気になる「男性」って、古細菌や、深海底の熱水噴出口に群がるチューブワームやシロウリガイのレベルなのでしょうか。
2009年3月12日木曜日
2009年3月9日月曜日
北極圏で大きな地震
日本時間 6日(金)午後 8時ごろ、北極点に近い海域(北緯 80.3°西経 1.8°)で M6.5 の珍しく大きな地震が発生しています。震央の位置は、北極圏にあるノルウェー領スヴァールバル島北方の大西洋中央海嶺付近です:上記記事では、被害はなかったが、ノルウェー領内(?)で記録された地震としては史上最大と伝えています。スヴァールバル島近海では、昨年2月21日に M6.0 の地震が発生しています。
この地震は、大西洋中央海嶺からのびるトランスフォーム断層(横ずれ断層の一種)でおきたものと思われます。下記ページにある発震機構を示す図を見ると、震源球が「25%ずつ 4等分された円グラフ」のように描かれています。これは、横ずれ断層に特有のパターンです:
Image Credit: U.S. Geological Survey
オーストラリアで地震連発
日本時間 3月 5日夜から翌 6日夕方にかけて、オーストラリアで、M5 前後の地震が 3回発生しています。ジオサイエンス・オーストラリアの専門家は ―― 通常、オーストラリアではこのクラスの地震は年に 2回ほどしか発生しない、24時間以内に 3回も発生したのは珍しい ―― と語っています。一つ目の地震は、オーストラリア南東部・ビクトリア州の州都メルボルン近郊の Korumburra で発生した M4.6。メルボルン市内でも揺れを感じ、同市としては 1973年以来 36年ぶりの大きな地震となったとのことです。震源の深さは 8km、インド・オーストラリア・プレートが年 7cm の速さで北東に移動していることにともなうプレート内地震である、と専門家は説明しています:
- Vic tremor 'relatively uncommon'
- Melbourne tremor 'one of three'
- Korumburra earthquake biggest for 36 years
三つ目の地震は、オーストラリア南西部・西オーストラリア州 Beacon の北西で発生した M4.9。こちらは 100回を超える群発地震となっています。震源も極めて浅いところにあるようです:
- Tiny WA town hit by 100 earthquakes
- Hundreds of earthquake tremors rock tiny WA town
- Mystery quakes hit Wheatbelt
オーストラリアの南東、北西、南西の 3か所で地震がおきましたが、北東では何もおきていない … と思っていたら、北東部にはサイクロン Hamish が接近していました。クイーンズランド州北部には警報が発令されており、全住民が大陸本土に避難した島も出ています:
このサイクロンは、気象庁の気象衛星画像で見ることができます。昨晩の時点では目がはっきりと見えていましたが、今朝の時点では陸地に近づいたためか目が不明瞭になっています。日本にやってくる台風とは、渦の巻き方が逆なのがよくわかります。このサイクロンが接近しているオーストラリア北東部には、多くの日本人が訪れるケアンズなどの観光スポットがあるので要注意です:
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency
2009年3月6日金曜日
インドネシア・スメル山が噴火
昨夜(日付が6日になって間もなく)、インドネシア・ジャワ島東部にあるスメル山(Mount Semeru)が噴火を始めた、とシンガポールやオーストラリアのニュースサイトが伝えています:噴煙が高く上がっているものの、現地の天候は雨で、風向きも人間の居住地の方向には向かっておらず、今のところ降灰などによって被害が出る状況にはないとのことです。
スメル山は高さ 3676m (富士山より 100m 低い)の成層火山で、ジャワ島では最も高い火山です。
インドネシアで 1900 年以降に噴火した火山の地図が以下にあります:
Image Credit: U.S. Central Intelligence Agency
2009年3月5日木曜日
襟裳海山
先月初め、グーグル・アースの最新版 5.0 が使えるようになりましたが、実はその数日前から、グーグル・マップの「航空写真」も 5.0 と同等のレベルが表示されるようになっていました。これによって、グーグル・マップで地上や海底の地形をかなり詳細に見ることができるようになり、世界中の地質学的に興味深い場所を居ながらにして見学して回ることが可能になりました。そこで、「グーグル・マップを使ったプレートテクトニクス名所巡り」シリーズと銘打って、「名所」を紹介していきたいと思います。
シリーズ第 1 弾は襟裳(えりも)海山です。北海道・襟裳岬の南東約 180km にある海山で、日本海溝と千島・カムチャツカ海溝の接続部に位置しています。海山の海底からの高さは 4200m (富士山より高い)ありますが、それでも頂上から海面まではまだ 3735m もあります。北緯 40°よりも北にあるにもかかわらず、その頂上部には白亜紀のサンゴ礁に由来する石灰岩があります。これは、白亜紀には襟裳海山が南方の暖かい海にあり、その後太平洋プレートに運ばれて、少しずつ高さを下げながら現在の位置に至っていることを物語っています。
大きな地図で見る
襟裳海山の裾野はすでに海溝軸に達しており、今後、山体の西側(海溝軸に近い側)に正断層が発達、それに沿って山体の崩壊が進み、徐々に陸側プレートの中に潜り込んでいくことになります。地震波などを使った探査で、襟裳海山と海溝軸をはさんで反対側の地下には、過去に沈み込んだ別の海山の痕跡が見つかっています。このような過去に沈み込んだ海山が、地震性スリップの発生する深さまで沈み込むと、地震の原因となるアスペリティになると考えられています。
襟裳海山の北に、陸側の海溝壁が U 字型にえぐられている場所があります。これは、過去に海山が沈み込んだ跡に特徴的な地形と考えられます。
グーグル・マップの操作法はご存知の方が多いと思いますが、念のために書いておきます:
シリーズ第 1 弾は襟裳(えりも)海山です。北海道・襟裳岬の南東約 180km にある海山で、日本海溝と千島・カムチャツカ海溝の接続部に位置しています。海山の海底からの高さは 4200m (富士山より高い)ありますが、それでも頂上から海面まではまだ 3735m もあります。北緯 40°よりも北にあるにもかかわらず、その頂上部には白亜紀のサンゴ礁に由来する石灰岩があります。これは、白亜紀には襟裳海山が南方の暖かい海にあり、その後太平洋プレートに運ばれて、少しずつ高さを下げながら現在の位置に至っていることを物語っています。
大きな地図で見る
襟裳海山の裾野はすでに海溝軸に達しており、今後、山体の西側(海溝軸に近い側)に正断層が発達、それに沿って山体の崩壊が進み、徐々に陸側プレートの中に潜り込んでいくことになります。地震波などを使った探査で、襟裳海山と海溝軸をはさんで反対側の地下には、過去に沈み込んだ別の海山の痕跡が見つかっています。このような過去に沈み込んだ海山が、地震性スリップの発生する深さまで沈み込むと、地震の原因となるアスペリティになると考えられています。
襟裳海山の北に、陸側の海溝壁が U 字型にえぐられている場所があります。これは、過去に海山が沈み込んだ跡に特徴的な地形と考えられます。
グーグル・マップの操作法はご存知の方が多いと思いますが、念のために書いておきます:
- マップ上でマウス・ポインターが「手」の形になっているときに、左クリックしたままマウスを動かすことによって、マップを任意の方向にずらすことができます。
- マップの左上部にある「+」か「-」を左クリックすることによって、マップの縮尺を変えることができます。
- 拡大率をあまり大きくすると「この地域の詳細画像は表示できません」などのメッセージや空白がマップに表示されることがあります。
- マップ上の任意の地点をダブル・クリックすると、その地点を画面の中央に持ってくることができます。
- マップの左下にある「大きな地図で見る」をクリックして、広い範囲を表示することをおすすめします。
- 「襟裳海山」と書かれた吹きだしは、その右上にある「×」をクリックすれば消えます。再度表示するには、襟裳海山につけられたピン型のマークをクリックします。
2009年3月3日火曜日
トンガの地震は津波を起こしにくい
記事によると ―― この地震は M8.0(USGS は後に M7.9 に修正)、震源の深さ 55km。プレート境界で発生する圧縮応力による逆断層型の地震ではなく、沈み込んでいる海洋プレート(スラブ)内で伸張応力によって発生した地震。そのため、上盤(陸側)プレートの跳ね上がりがなく、大きな津波が発生しなかった 。トンガ周辺で発生する地震では大きな津波がおきることは少ない ―― とのことです。
プレートの沈み込み帯には、大きく分けてチリ型とマリアナ型があります。チリ型は若い海洋プレートが低角度で沈み込み、上盤(陸側)プレートと広い面積で強く結合しているのに対して、マリアナ型ではスラブが急角度で沈み込み、上盤プレートと海洋プレート(スラブ)の結合が弱いという特徴があります。上記のトンガの地震は、トンガ・ケルマディック海溝から沈み込んだスラブ内で発生したものですが、この海溝はマリアナ型と考えられています。上盤プレートと海洋プレートの結合が弱く、プレート境界型の大地震が発生しにくい場所です。
例外も多いのですが、チリ型では付加体が発達しやすいのに対して、マリアナ型では付加体が形成されにくいという特徴もかつて指摘されたことがあります。実際に、トンガ・ケルマディック海溝では、ほとんどの領域にわたって付加体が形成されていません。
2006年5月3日のトンガ大地震についての資料は以下にあります。2番目のサイトは見た目がいささかケバケバしいですが、内容はまじめです:
ビキニと男性心理
ちょっと怖い研究成果が『ナショナル・ジオグラフィック』誌のサイトに掲載されています。プリンストン大学の研究者が複数の男性被験者に脳スキャンの装置を取り付けて実験した結果です:
記事をかいつまむと ――
よく「男は、女を子供を産む道具としか考えない」というようなことを言いますが、本当だったようです。
記事をかいつまむと ――
(ビキニのように)露出の多い衣服を身につけた女性の写真を見せられると、男性の脳内では、道具の取り扱いに関係する領域が活性化する。―― ということです。
男性は、セクシーな女性のイメージを、一人称の動詞「I push, I grasp, I handle」(押す、掴む、取り扱う)と関連づける傾向がある。
最もショッキングな発見は、被験者男性の何人かで、通常、他者の気持ちを思いやる時に働く脳の領域がまったく活性化しなかったことである。このようなタイプの男性は、(ビキニのような露出度の高い服装の)女性が自分を性的に誘惑しているものとみなし、相手の気持ちを考えない。この社会的認知に関わる領域の活動が欠落することは実に奇妙だ。このようなことは、通常はほとんどおこらない。
被験者男性に様々な衣服を着た女性の写真を見せる(女性の顔は見せない)と、写真 1 枚あたり 0.2 秒しか見せていないにもかかわらず、ほとんどの男性はビキニの女性を一番よく記憶していた。
よく「男は、女を子供を産む道具としか考えない」というようなことを言いますが、本当だったようです。
「今年の漢字」 2008年は「和」
多くの都市や交通機関が麻痺状態に陥った大雪害や四川大地震などに際して、中国国民が示した団結心と協調的な態度が「和」の文字に集約されている、北京オリンピック開催は宇宙の調和を具体化するものである、また、経済危機に対する中米間の協力も中国人の調和の精神を示すものである、というのが選定理由とのことです。
「今年の漢字」は日本では 1995 年に始まり、最初に選ばれたのは「震」でした。1995年 1月 17日に発生した阪神淡路大震災が国民に与えた衝撃の大きさを物語っています。中国でも今年は未曾有の大地震「四川大地震」(海外では温江地震、ウェンチャン地震と呼ばれることが多い)があったのですが、「震」ではなく「和」を選ぶあたりに、私は中国人の懐の深さやプライドの高さを感じてしまいます。
これまで日本で「今年の漢字」に選ばれた文字のリストは以下にあります。漢字能力検定で多額の利益を上げていたことが問題視されている日本漢字能力検定協会がからんでいます:
2009年3月2日月曜日
今夜、小惑星が地球接近
今夜 22時44分(日本時間)に、小惑星「2009 DD45」がタヒチ島西方の太平洋上空約 63500km (地球の中心から 0.00047天文単位)を通過します。光度は約 10.5 等級になると見積もられています。以下は、このことを伝えるアメリカの天文雑誌『スカイ・アンド・テレスコープ』の記事です:記事によると、「2009 DD45」が発見されたのは 2日前、発見時の光度は 19等級。サイズは直径 30m を超えないと推定。発見者はマックノート彗星(C/2006 P1)の発見者としても知られるオーストラリアのロバート・マックノート氏。接近時に地上から観測した場合、毎分 0.5度という「超高速」で移動、普通の天体望遠鏡では追跡困難。
最近、地球に接近する小天体の観測技術や観測網が充実したためか、地球接近あるいは地球大気圏突入直前に発見される小天体の報告が増えています。昨年10月には小惑星「2008 TC3」(直径数メートル)が、発見から数時間後にアフリカのスーダン上空で大気圏に突入しています。自然の天体が大気圏突入前に発見されたのは、これが最初とのことです。
今回、「2009 DD45」が地球に最接近する時の距離 63500km は、「ひまわり」などの静止衛星の約 2 倍で、月の軌道の内側に入ってくることになります。上記の記事によると、これまで最も地球に近づいた小惑星は「2004 FU162」で、2004年3月31日に 約 6400km まで接近。これは、今回の「2009 DD45」の接近距離の 10 分の 1 で、静止衛星の軌道よりも内側にまで入ってきたことになります。
しかし、もっと地球に近づいた天体もあります。「The Great Daylight Fireball of 1972(1972年の白昼の大火球)」と呼ばれる天体で、大気圏を突っ切って再び宇宙空間に帰って行きました。大きさは小型トラック程度と推定されていますから、スーダン上空に突入した「2008 TC3」に比肩するサイズで、立派な小惑星です:
- The Great Daylight Fireball of 1972 (静止画)
- Linda Baker's footage of the Great Daylight 1972 Fireball (動画)
天体衝突の脅威から地球を守る「IAA Planetary Defense Conference」(惑星防衛会議)が、今年 4月にスペインのグラナダで開かれます:
この会議は IAA(国際宇宙航空学会)や ESA(欧州宇宙機関)が中心となって開催される国際会議で、2年前にアメリカの首都ワシントンで開かれた「2007 Planetary Defense Conference」を拡大したものです。討議の内容は以下のとおりです:
- 地球に危害をもたらす可能性のある小惑星と彗星の検出および追跡
- それらの天体の特性
- 脅威となる天体をそらす方法
- 天体衝突による災害の特質
- 防災計画上考慮すべき政治的、法律的、政策的課題
写真は小惑星 243 Ida とその衛星 Image Credit: NASA
2009年3月1日日曜日
「炭素観測衛星」打ち上げ失敗は妨害工作?
NASA が 300億円近い巨費と 9年の歳月を費やして開発した Orbiting Carbon Observatory 衛星(OCO、軌道炭素観測所)が 2月24日に打ち上げられました。しかし、衛星本体を保護するためのフェアリングの分離に失敗、衛星は軌道にのることなくロケットとともに南氷洋に落下してしまいました:上で「9年の歳月」と書きましたが、これの意味するところは、OCO の計画がブッシュ政権の発足前に始まり、同政権の終焉後すぐに打ち上げに至ったということです。ブッシュ政権下では、OCO 計画に対して予算削減等さまざまな「ブレーキ」があったようです。長い間の艱難辛苦を乗り越えて打ち上げただけに、その失敗の衝撃は大きいものがあるようです。
OCO は、これまでにない高い精度で、二酸化炭素の発生場所と吸収場所や時間的変動を観測する能力を持っていたため、気候変動を研究する科学者の間に大きな失望が広がっています。以下は、『ニューヨーク・タイムズ』の記事ですが、科学者たちの失望・困惑や、OCO 衛星に準じる観測能力を持つ日本の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」(今年 1月 23日に打ち上げ成功)に対する関心と期待が高まっていることを伝えています:
OCO 衛星は二酸化炭素の発生源をピンポイントで特定できる能力を持っていたため、その打ち上げ失敗で胸をなで下ろす利害関係者や国家があっても不思議ではありません。何らかの妨害工作があったのではという疑念を持つ人も出ています。所詮は憶測にもとづく「陰謀論」にすぎませんが、以下はその例です:
この記事によれば、気候変動に関連した観測をおこなう衛星では、打ち上げ失敗や、軌道にのった後に不可解な機能停止に陥るものが多いと指摘しています。そして、これまでの経緯を考慮すると、日本の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」もいつまで観測を続けられるか心配するべきだと書いています。
かつて、チャーリー・シーン主演で『アライバル』というタイトルの SF 映画がありました。エイリアンが秘密裏に地球に工場をつくって大量の二酸化炭素を空気中に放出し、地球を彼らの住みやすい環境に改造しようとするストーリーでした。そのようなエイリアンにとっては、OCO 衛星などの地球観測衛星は非常にじゃまな存在ということになります。また、遠い星から地球にやってくる技術を持っている彼らにとって、人類の打ち上げた衛星を機能停止させることなどは朝飯前でしょう …… と、これは日曜の朝の妄想でした。
Image Credit: NASA
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