2025年12月14日日曜日

大地震の危機迫るイスタンブール (続報)


13年7月2日付「大地震の危機迫るイスタンブール」の続報です。
 
ドイツの国立研究機関・GFZヘルムホルツ地球科学センターの研究結果です。イスタンブール(地図)の南にはマルマラ海が広がっており、その海底には長大なマルマラ断層が東西方向に走っています。この断層では大きな地震がたびたび起きているのですが、それらの地震の震源が西から東に移動し、2025年4月にはイスタンブールの南西で M6.2 が発生しました(震源移動図):
 
マイン・マルマラ断層(MMF)は、ヨーロッパ全域で最も危険でリスクの高い断層帯であり、ユーラシア・プレートとアナトリア・プレートの間にある北アナトリア断層帯の中で、1766年以降、M7 を超える大地震が発生していない唯一の地域である。この地域における大地震の平均発生率は、2000年以上にわたる記録から推定すると 250年である。したがって、マイン・マルマラ断層は既に地震サイクルの末期にあり、大地震へと破壊する可能性がある。
 
マルマラ断層はいくつかの特徴的なセクションに分かれていることが明らかになっている。西部のクリープ・セクションでは、同じ場所で繰り返し発生する小規模地震の解析から、テクトニック・エネルギーの一部(最大約50%)が緩やかな(したがって非地震性の)クリープによって解放されていることが確認されている。東に向かうにつれて、「遷移セクション」におけるクリープの割合は小さくなり、イスタンブールのすぐ南では断層は完全に固着している。
 
マルマラ断層(MMF)では、2011年から中規模地震が連続的に発生しており、その震源はイスタンブール西部の南方にある固着部に向かって東方へ移動し、その規模は概ね増大している。MMFの活動は、マグニチュードが徐々に増加し、2025年に発生した M6.2 のマルマラ地震で最高潮に達した。この地震は、MMFにおける過去 60年以上で最大の地震である。 
 
2025年4月に発生した M6.2 の地震のパターンは、以前に観測された地震と一致しており、地震エネルギーの放出が、イスタンブール南部のプリンセス諸島の固着部に近い地域へと近づいている。この地域は、単独で M7 程度の地震を引き起こす可能性がある。
 
「私たちの研究結果は、イスタンブールに隣接する固着断層セグメントに向かって、部分的な地震破壊が長期にわたって進行していることを示している。」
 
「次の大地震は、イスタンブール南方のプリンセス諸島の完全固着部分の西側、あるいはその直上で発生する可能性が高い」、「この地震は M6 の規模になる可能性もあるが、断層は明らかに限界荷重を受けており、既に相当のエネルギーを蓄積しているため、さらに大きな地震を引き起こす前兆となる可能性もある。」 


関連記事

次は 12月18日?


オカルト系の話です。これまでに 3つの大きな地震、すなわち 11月9日の三陸沖(M6.7、深さ 16km、最大震度 4)、11月25日の熊本県阿蘇地方(M5.8、深さ 9km、最大震度 5強)、12月8日の青森県東方沖(M7.5、深さ 54km、最大震度 6強)の発生日を要注意日として指摘していた演出家・劇団主宰者の X(ツイート)。残る 12月の要注意日は 12月18日です:



2025年12月13日土曜日

「今回の地震はあまりにも小さすぎる」


12月12日午前11時44分ごろに青森県東方沖で発生した M6.9 の地震について、北海道大学・地震火山研究観測センターの教授が解説しています。今後、大規模な地震が起こる可能性はあるのかとの問いに対して「残念ながら月曜日の地震も、きょうの地震も、もともと青森県東方沖や北海道沖合に蓄えられている巨大なエネルギーに比べると、ほんのごくわずかしか使っていません」:
 
12月8日に青森県東方沖で発生した M7.5、深さ 54km の地震の震源域に 2つの空白域が残っている、との解説動画です:

関連記事

2025年12月12日金曜日

クマは地震を予知して冬眠しなかった?

 
毎日新聞』の記事です。最近のクマ出没と地震の発生を結びつける投稿が SNS 上で相次いでいるとのことです。
 
「クマは地震を予知して冬眠しなかった」、「野生動物は自然の変化の兆候を察知できる」、「(北海道大大学院の坪田敏男教授は)クマの出没が多かった理由は餌のドングリが凶作だったことが主因とし、地震の予知と結びつけた見方は『根拠がない』と否定」:
 

定置網にクジラ 2頭が迷い込む — 高知県土佐清水市


12月2日朝、高知県土佐清水市の以布利漁港(地図)の沖 1.5km に設置された定置網に、体長約 10m のザトウクジラ 2頭が迷い込んでいるのが見つかりました。翌日の朝には姿が見えず、網の外に逃れたとみられます。
 
「年によっては数回ほど、ザトウクジラやミンククジラが網に入ることがあるといいますが、『2頭入った』のは珍しい」:

小惑星 2025 XF1 が地球と月に接近中

 
12月13日から 14日にかけて、非常に低速な小惑星〝2025 XF1〟が地球と月の近くを通過します。
 
2025 XF1 (2025年12月11日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月13日 09:17
 (月)12月14日 09:36
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± 2 分
接近距離 (地球)0.82 LD
(月)1.44 LD
推定直径
7 ~ 16 m
対地球相対速度
3.6 km/s ≅ 1万3000 km/h
初観測から地球接近まで5 日
次の地球接近2038年11月29日ごろ
公転周期462 日 ≅ 1.26 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年12月11日木曜日

2つの小惑星が地球と月に接近・通過

 
12月9日と 11日に小惑星が地球と月の近くを通過していたことが、NASA/JPL のデータベース更新によって明らかになりました。
 
2025 XA1 (2025年12月10日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月9日 05:18
 (月)12月9日 05:58
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.40 LD
(月)1.10 LD
推定直径
3 ~ 6 m
対地球相対速度
9.3 km/s ≅ 3万3000 km/h
初観測から地球接近まで0 日
次の地球接近
公転周期981 日 ≅ 2.69 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
2025 XB1 (2025年12月10日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月11日 05:18
 (月)12月11日 13:39
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± 3 分
接近距離 (地球)0.34 LD
(月)1.16 LD
推定直径
5 ~ 10 m
対地球相対速度
8.6 km/s ≅ 3万1000 km/h
初観測から地球接近まで2 日
次の地球接近
公転周期822 日 ≅ 2.25 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年12月10日水曜日

三陸沖の地震は予報されていた


11月上旬に三陸沖で発生した群発地震(最大は 11月9日17時04分の M6.9、深さ 16km)について、八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が予報していたことが、同氏が 12月5日に公開した「続報 No.426」(PDF形式)で明らかにされています。以下にその部分を引用します ——

東北沖での大型地震の可能性前兆変動が観測され、多数の観測情報を配信しました。結果は三陸沖での群発的プレート境界型地震でしたが、通常地震経験則で発生時期を推定致しましたが、前兆変動初現~変動極大に至る日数の半分の日数を極大日に加算する「群発地震経験則」(この場合は11/8±2発生となる)での発生となりました。推定した地震活動はトータルで断層長約350kmを推定致しましたが、実際は11/8~11/12までで各地震の断層長計320kmほど(Log Lkm=0.5M-1.8 Utsu.式使用)で綺麗に調和致しました。その後、再び前兆変動が観測されていますが本HPでは公開できません。E-mail・FAXで配信の観測情報では公開しています。
 
上記の予報が配信されたのは、観測情報配信の「公開実験」(串田氏の観測研究を支援するために有料)に参加している方々のみで、一般には公表されていません。
 
「その後、再び前兆変動が観測されています」とあるのは、一昨日 12月8日23時15分に青森県東方沖で発生した M7.5、深さ 54km、最大震度 6強の地震に対応しているのかもしれません ;-)


関連記事

超高速および大形を含む 4つの小惑星が地球と月に接近・通過

 
超高速の小惑星や大形の小惑星など 4つの小惑星が地球と月の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 12月8日付および 12月9日付のデータベース更新で明らかになりました。
 
2025 WM20 (2025年12月9日付予報)
接近日時(日本時間)
(月)11月24日 21:15
 (地球)11月24日 22:53
接近日時 誤差
(月)± 3 分
(地球)± 2 分
接近距離 (月)1.01 LD
(地球)0.43 LD
推定直径
4 ~ 9 m
対地球相対速度
28.4 km/s ≅ 10万2000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2027年2月22日ごろ
公転周期539 日 ≅ 1.48 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2025 XR (2025年12月9日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月6日 01:18
 (月)12月6日 05:08
接近日時 誤差
(地球)± 18 分
(月)± 16 分
接近距離 (地球)0.57 LD
(月)1.17 LD
推定直径
28 ~ 62 m
対地球相対速度
18.3 km/s ≅ 6万6000 km/h
初観測から地球接近まで−3 日
次の地球接近
公転周期382 日 ≅ 1.05 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2025 XQ (2025年12月9日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月7日 11:49
 (月)12月7日 23:40
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± < 1 分
接近距離 (地球)0.55 LD
(月)0.53 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
7.7 km/s ≅ 2万8000 km/h
初観測から地球接近まで0 日
次の地球接近2027年9月19日ごろ
公転周期675 日 ≅ 1.85 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
2025 XN (2025年12月8日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)12月7日 20:33
 (月)12月7日 23:23
接近日時 誤差
(地球)± 1 分
(月)± 2 分
接近距離 (地球)0.65 LD
(月)1.26 LD
推定直径
4 ~ 8 m
対地球相対速度
22.6 km/s ≅ 8万1000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2027年5月1日ごろ
公転周期611 日 ≅ 1.67 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年12月7日日曜日

キラウエア山: 監視カメラ埋没 — ハワイ


キラウエア山では、1年近くにわたって山頂のハレマウマウ火口内で噴火が断続的に続いています。日本時間 12月7日午前3時45分に始まった「エピソード38」の活動では、火口南縁に設置された監視カメラが溶岩噴泉からの噴出物によって埋没、機能停止となりました。以下の動画では、噴出物が徐々にカメラに迫って来る様子が写っています。
 
「この映像は、ハワイ島キラウエア火山山頂のハレマウマウ火口南縁に設置された V3カメラが記録したものです。ハワイ火山国立公園の危険区域内に設置されたこのカメラは、(ハワイ時間)12月6日午前8時45分に始まった第38回の噴火活動中、午前9時55分から9時57分の間に傾斜した溶岩噴水から飛来したテフラに埋没しました。V3カメラ、安らかに眠れ 🪦」: