2025年2月20日木曜日

桜島で稍深発地震、異常震域

 
2月19日19時36分、桜島で M3.6、震源の深さ 140km、最大震度 1 の稍深発地震が発生しました(速報値、震央地図)。防災科学技術研究所の発表では Mw4.0、震源の深さ 130km となっています。
 
この地震で有感となったのは大隅半島の太平洋側だけでした。フィリピン海プレートの沈み込みによる異常震域現象だと思われます(震度分布図)。 
 
日本火山学会の資料には、 桜島は,「姶良カルデラの南の縁で成長した火山」で、「この姶良カルデラの地下約 10km には大きなマグマ溜りがあって,そこへは,地下約 100km で生成されたマグマが上昇している」とあります。

この地震の震央地名は、気象庁は「鹿児島県薩摩地方」、防災科学技術研究所は「鹿児島県大隅地方」としています。
 
右上図は防災科学技術研究所 AQUAシステム メカニズム解カタログより。
 
 
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衝突確率低下 — 小惑星 2024 YR4

 

2月19日までの観測データで、衝突確率は 1.5%(1/67)に低下しました。

以下は NASA の "Planetary Defense" ブログの記事 "Dark Skies Bring New Observations of Asteroid 2024 YR4, Lower Impact Probability" からの抜粋・テキトー訳です ——

満月の前後 1週間、(月の明るさによって)視界が限られていた空が暗くなった今、天文学者たちは小惑星 2024 YR4 の観測を再開した。小惑星はたいてい非常に暗いので、地上の望遠鏡で小惑星を観測するには暗い空が必要だ。満月のころは、空が明るくなりすぎて、これらのかすかな光点が検出できなくなる。

​​南カリフォルニアにある NASA ジェット推進研究所の地球近傍天体研究センター(Center for Near-Earth Object Studies)は、小惑星センターに報告された新しい観測結果を取り入れ、2月18日に 2032年の小惑星 2024 YR4 の衝突確率を 3.1% に更新した。これは、NASAがこのサイズ以上の天体について記録した衝突確率としては最高のものだ。しかし、2月19日水曜日、夜間に収集された新しいデータにより、衝突確率は 1.5% に低下した。

これらの最近の観測により、小惑星の軌道に関する不確実性がさらに狭まった。上記の図(1月27日時点2月19日時点)の黄色の点は、2032年12月22日の小惑星の可能性のある位置を表している。小惑星の動きを継続的に観測するにつれて、可能性のある位置の範囲はさらに狭まる。衝突確率をゼロにするには、地球が 2032年12月22日に小惑星 2024 YR4 の可能性のある位置の範囲外にある必要がある。
 
この小惑星が月に衝突する可能性も(はるかに低いが)ある。現在の計算では、この衝突確率は 0.8% と推定されている。

NASA の地球近傍天体探査(Near-Earth Object Surveyor)ミッションは、2027年9月以降に打ち上げられる予定で、赤外線で探査することで、NASA の未知の小惑星発見能力を増強する。小惑星や彗星は可視光では暗くても、太陽光で加熱されると赤外線で輝く。NEO サーベイヤーは、地上の観測施設を補完する宇宙の視点を追加することになる。

——

小惑星 2025 DQ が地球と月に接近

 
2月22日、小惑星〝2025 DQ〟が地球と月の近くを通過します。
 
2025 DQ (2025年2月19日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)2月22日 02:55
 (月)2月22日 05:16
接近日時 誤差
(地球)± 10 分
(月)± 13 分
接近距離 (地球)0.78 LD
(月)1.56 LD
推定直径
3 ~ 7 m
対地球相対速度
6.7 km/s ≅ 2万4000 km/h
初観測から地球接近まで3 日
次の地球接近2026年2月21日
公転周期365 日 ≅ 1.00 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年2月19日水曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-326)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田嘉男氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 2月18日14時00分付けで「続報 No.394」(PDF形式)を出しています ——
 
「 CH26・20 PBF特異中心 = 2/17.2 に修正
推定時期誤差内ですが
『対応地震 2/22±2 発生の可能性有』に再度修正 」
 
18日14時までのデータを見ると、PBF 特異の中心は 2月17日の04時前後(2月17.2日)。2月18日の00時以降、現時点まで PBF 特異再出現は皆無。

CH32 観測装置の基線幅増大と弱い特異変動は継続中。
 
以上の観測事実から、初現を 2月14.4日(CH32 観測装置)、極大を 2月17.2日として経験則 [初現〜地震発生]:[極大〜地震発生]= 20:13 を適用すると 2月22日±2日が対応地震発生日として算出される(前更新情報の推定 2月21日±2日の誤差範囲内)。
 
2月22日に地震発生の場合は CH32 観測装置の変動は 2月21日未明に静穏化する可能性。 2月22日±2日に地震発生がない場合は、CH32 変動の初現認識の誤りがある可能性。
 
「何度もの修正、本当に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。」
 
 
[注]特異変動については『FM(VHF帯域)電波電離層モニター観測による「地震・火山の予報」解説資料』(PDF形式)の 9ページを参照してください。


推定日
2月22日:±2日
この期間に発生がない場合、CH32 変動継続や2月22日±2日に極大出現の場合は再考
推定時間帯 09:00±2時間 または 18:00±3時間
前者の可能性が若干高い
推定震央領域

続報 No.394」所載の図3参照
太線領域内=大枠推定領域
斜線領域=可能性が考えやすい推定領域
震央が火山近傍領域である可能性が高い
弧線A~B以南の可能性は極めて低い

直近で噴火の可能性が考えられる前兆変動はないので、現状では震央近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。
推定規模 主震:M8.0 ± 0.3
複合の場合:M7.3±0.3 + M7.1±0.3 など
余震を含まない大型地震の断層長が合計で約110〜150km 程度となるような複合地震活動の可能性
群発的な活動の可能性もあり
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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衝突確率上昇 — 小惑星 2024 YR4 (続報-2)

 
[2月20日追記: 2月19日までの観測データで、衝突確率は 1.5%(1/67)に低下しました。
 
NASA/JPL の "Sentry: Earth Impact Monitoring" によると、2月18日までの観測データで、衝突確率が 3.1%(1/32)に上昇しました。今年 1月には 1.3% とされていたので、リスクが 2倍以上に高まっています。

以下は "spaceweather.com" からの引用・テキトー訳です ——

これは悪いニュースです。良いニュースは、たとえ衝突したとしても、2024 YR4 が地球を滅ぼすことはないということです。直径は推定 40 ~ 70m で、2013 年にロシアを襲ったチェリャビンスク隕石のわずか数倍の大きさです。この宇宙の岩石は大気圏で爆発し、衝撃波が発生してガラス窓が割れ、数百人が負傷しました(主に割れたガラスによる)。2024 YR4 の推定サイズは、研究者に 1908 年にロシアの森林を破壊したツングースカ衝突天体を思い起こさせます。あなたは爆心地にいたいとは思わないでしょうが、地球は生き残るでしょう。

2024 YR4 のリスク・プロファイルは異例です。新しく発見された小惑星が地球に衝突するかもしれないと予測するセンセーショナルな見出しをよく目にします。これらは、あまり長い間追跡されていないため、軌道に大きな誤差がある宇宙の岩石です。より多くのデータが収集されると、衝突の確率はすぐに下がります。しかし、2024 YR4 の場合、確率はまだ上昇しており、興味深いものです。
 
 

小惑星 2025 DF が地球と月に接近

 
2月19日から20日にかけて、小惑星〝2025 DF〟が地球と月の近くを通過します。非常に低速です。
 
2025 DF (2025年2月18日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)2月19日 16:09
 (月)2月20日 16:23
接近日時 誤差
(地球)± < 1 分
(月)± 1 分
接近距離 (地球)0.73 LD
(月)0.52 LD
推定直径
6 ~ 14 m
対地球相対速度
4.0 km/s ≅ 1万4000 km/h
初観測から地球接近まで2 日
次の地球接近2036年1月30日ごろ
公転周期502 日 ≅ 1.37 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年2月18日火曜日

中国が地球を護る !?

 
小惑星 2024 YR4 が地球に衝突する恐れが高まる中、中国は「惑星防衛軍(planetary defence force)」の人員募集をしています。英国の "The Guardian" 紙の記事です:
 
以下は記事からの抜粋・テキトー訳です ——
  
今週、中国の国家国防科学技術産業局(SASTIND)はネットに掲載した求人広告で、航空宇宙工学、国際協力、小惑星探知に重点を置く若く忠実な卒業生を求めている。
 
今週初めに WeChat に投稿された広告には、SASTIND の 16 の求人が掲載されており、そのうち 3つは新しい「惑星防衛軍」の求人だった。専門的および技術的な資格を持ち、中国共産党とその指導者である習近平と一致するイデオロギーを支持する「確固たる政治的立場」を持つ、35歳未満の新卒者からの応募を募っている。
 
求人広告に添付された職務内容によると、この部隊は国際協力と、新しい実験的技術のためのシステム設計に重点を置いている。惑星防衛部隊の職務は「地球近傍小惑星の監視と早期警報に関する研究」と説明されており、修士号以上の学位を持ち、天体物理学、地球・宇宙探査技術、航空宇宙科学技術を専攻した卒業生を求めている。
 
スペースニュース(SpaceNews)の中国特派員アンドリュー・ジョーンズ記者は、採用のタイミングは 2024 YR4 の発見と偶然一致したようで、その仕事は「中国がすでに確立している惑星防衛能力の開発努力を補完するもの」である可能性が高いと述べた。
 
中国は 2015 XF261 という小さな小惑星を対象として独自の小惑星軌道変更テストを 2027年に予定している。しかし、コート・ダジュール天文台の惑星科学者ハリソン・アグルーサ氏は、中国が対象としている小惑星のサイズが小さい点に懸念があると述べた。

「(NASA がおこなった小惑星軌道変更ミッション)DART から学んだことを考慮すると、はるかに小さなターゲットに同様の衝突ミッションを実施すれば、そのターゲットを完全に破壊してしまう可能性が高い」と同氏は述べた。「これは最も有用な衝突回避戦略ではないかもしれない。なぜなら、1つの発射体(軌道がわかっている)を多くの破片(軌道がわからない)に変えることで、さらに大きな問題を引き起こす可能性があるからだ」
 
—— 

この求人はオンラインで議論をまきおこしたようです —— 「地球の運命はあなたたち 3人にかかっています」「それは重圧じゃない?」「成功すれば、世界を救った英雄だ」「でも失敗しても誰も咎めない。誰もいなくなるから」
 
 

衝突確率上昇 — 小惑星 2024 YR4 (続報)

 
2月8日付「衝突確率上昇 — 小惑星 2024 YR4」の続報です。
 
2月17日までの観測データによると、小惑星 2024 YR4 が 2032年12月22日に地球に衝突する確率は 2.6% とのこと。以前の 1/45 から 1/38 に上がったことになります。これまでの事例だと、観測データが増えるにしたがって軌道計算の精度が上がり、衝突確率は次第に下がって最終的にはゼロになるのですが、今回のようにじりじりと上がっていくのは、少なくとも私にとっては初めてです:
 
以下は英国の "Independent" 紙の記事です。この小惑星の衝突リスクの回廊は、世界の人口上位 100都市のうち 8都市の上空を通過し、都市部だけでも人口は合計 1億1千万人を超える、小惑星 2024 YR4 の破壊力は TNT火薬 800万トンに相当し、広島に投下された原爆の威力の約 500倍にあたる、と書かれています。
 
「(NASA以外の)他の宇宙機関もこの小惑星の緊急時対応策に取り組んでおり、国連が承認した 2つの対応グループがすでに軌道を絞り込み、必要な介入を準備している」、「中国が実施する小惑星軌道変更試験は、2027年にもっと小さな小惑星で実施される予定」:

 

小惑星 2025 DC が地球と月に接近・通過

 
2月15日午後、小惑星〝2025 DC〟が地球と月の近くを通過しました。
 
2025 DC (2025年2月17日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)2月15日 14:08
 (月)2月15日 18:23
接近日時 誤差
(地球)±  < 1 分
(月)±  < 1 分
接近距離 (地球)0.74 LD
(月)1.21 LD
推定直径
8 ~ 18 m
対地球相対速度
13.5 km/s ≅ 4万9000 km/h
初観測から地球接近まで−1 日
次の地球接近2029年2月27日ごろ
公転周期290 日 ≅ 0.79 年
分類
アテン群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

2025年2月17日月曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-325)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田嘉男氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 2月17日17時00分付けで「続報 No.393」(PDF形式)を出しています ——
 
「2/16.8 中心に CH26・20 に PBF 特異出現を観測
『対応地震 2/21±2 発生の可能性有』に修正」
 
2月16日から 2月17日にかけて、八ヶ岳の CH26 観測装置と CH20 観測装置に、同期して PBF 特異変動が出現した。
 
CH32 観測装置の基線変動も、時間軸圧縮すると 2月14.4日から現在まで断続的に変動が現れ、CH26 観測装置に PBF 特異が集中出現した時間帯から明確に基線幅増大変動がみられる。
 
CH32 観測装置の変動初現 2月14.4日、極大 2月16.8日に経験則[初現〜地震発生]:[極大〜地震発生]= 20:13 を適用すると、対応地震発生は 2月21日±2日 と算出される。
 
1月25.0日極大に対し、2月16.8日極大を直前特異として計算した場合も、2月21日±2日発生の可能性となる。「たまたまかもしれません。」
 
 
[注]特異変動については『FM(VHF帯域)電波電離層モニター観測による「地震・火山の予報」解説資料』(PDF形式)の 9ページを参照してください。


推定日2月21日 ±2日
2月21日または 2月22日の可能性が考えやすい。
上記期間に発生がない場合、あるいは 2月21日±2日に極大出現の場合は再考する。
推定時間帯 09:00±2時間 または 18:00±3時間
前者の可能性が若干高い
推定震央領域

続報 No.393」所載の図4参照
太線領域内=大枠推定領域
斜線領域=可能性が考えやすい推定領域
震央が火山近傍領域である可能性が高い
弧線A~B以南の可能性は極めて低い

直近で噴火の可能性が考えられる前兆変動はないので、現状では震央近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。
推定規模 主震:M8.0 ± 0.3
複合の場合:M7.3±0.3 + M7.1±0.3 など
余震を含まない大型地震の断層長が合計で約110〜150km 程度となるような複合地震活動の可能性
群発的な活動の可能性もあり
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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