大分県竹田市と九重町にまたがる九重山(地図)で地殻変動と地下の温度上昇が続いています。
気象庁が11月10日に発表した「九重山の火山活動解説資料(平成27年10月)」(PDF形式)によると、6本ある観測基線のうちの3本(坊ガツル-牧ノ戸峠、星生山北山腹-坊ガツル、星生山北山腹-直入A)で2012年ごろから伸び(山体膨張)の傾向が続いているほか、全磁力観測で2014年ごろから地下温度の上昇にともなうとみられる消磁傾向が観測されているとのことです。
観測基線の伸びは、2013年11月分の火山活動解説資料までは「火山活動によると考えられる変化は認められません」と書かれていたのですが、同年12月分からは「一部の基線(坊ガツル-牧ノ戸、星生山北山腹-坊ガツル)で、わずかに伸びの傾向が認められます」となりました。さらに2014年10月分からは4本の基線(上野-坊ガツル、坊ガツル-牧ノ戸峠、星生山北山腹-坊ガツル、星生山北山腹-直入A)に伸びの傾向があるとされましたが、2015年8月からは「上野-坊ガツル」が外されて3本の基線に伸びの傾向があるとされ、現在に至っています。
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