2012年2月9日木曜日

カメルーン山が爆発的噴火 ― カメルーン共和国


2月3日、西アフリカ・カメルーン共和国西部のカメルーン山(地図地図)が、短時間ですが爆発的噴火をおこしました。登山中のノルウェー人と中国人の観光客に付き添っていたガイドやポーターに軽傷者が出たとのことです:

カメルーン山は標高4095mで西アフリカの最高峰です。同山では1月末から地震や小規模の噴火が続いており、山麓の住民は近隣の町に避難し始めていたとのことです。

海底地形図を見ると、カメルーン山から南西に大西洋中央海嶺に近いセントヘレナ島まで海山の列が続いているのがわかります。カメルーン山の北東にはオク火山群があります。オク火山群からセントヘレナ島に至る一連の火山は、ホットスポットの上をプレートが移動したために形成されたと考えられています(ホットスポット自身も移動しているので、海山の列がプレート移動の軌跡と必ずしも一致するわけではありません)。

イギリス領セントヘレナ島は「地球上で他の陸地から距離が2番目に遠い陸地」(ギネスブック認定)で、最寄りのアフリカ大陸からでも2800km離れています。ナポレオン1世が幽閉され、没した場所として有名です。

オク火山群(地図)にはニオス湖という火口湖があります。1986年8月21日の夜、この湖から大規模な二酸化炭素の雲が発生して山腹を流れ下り、就寝中だった近隣の住民1800人や家畜3500頭などが窒息死しました。

カメルーン山の噴火は、紀元前5世紀のカルタゴの航海者 Hannon が目撃したとの記録が残っています。1922年には南西の山腹から噴火し溶岩流が大西洋岸に達しました。1999年には南の山腹から噴火がおこり溶岩流が海岸の200m手前まで達しています。いちばん最近の噴火は2000年です。


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