2010年12月22日水曜日

皆既月食と冬至

昨日 12月 21日は皆既月食、今日 22日は冬至。日本ではこのように月食と冬至が 1日ずれていましたが、欧米では時差の関係で皆既月食が冬至と同じ 21日に起こりました。

月食が冬至または夏至の当日に起こるのはきわめて珍しいことなのだそうです。NASA の資料によると、米海軍天文台の研究者が調べたところ、西暦 1年以降の約 2000年間で、冬至または夏至の日に月食が起きたのはわずかに 1回 ―― 1638年 12月 21日 ―― しかないとのことです。また、次に同様の現象が起きるのは 2094年 12月 21日とのことです。

以下の記事には、占星術やキリスト教の観点では冬至の日の皆既月食が何を意味しているのかについて書かれています:

以下は上掲記事からの摘記・意訳です:
占星術師にとって、冬至と月食が重なることには重大な意味がある。このような現象は、我々の宇宙に存在するすべての力の統合を意味するからだ。

月食の起きている間は、月・地球・冬至の太陽・銀河の中心が完璧な整列状態になる。占星術師は今回の月食が、我々が共鳴・調和することのできるエネルギーに満ちあふれた期間の始まりになると考える。占星術の観点からいえば、今回の天体の整列は、われわれ自身を自分の目的やすべての潜在能力と整合性の取れた状態にもどし、進むべき道に回帰させる絶好のタイミングである。それゆえに、今回の月食は変化を実現する最適の時なのである。

キリスト教信仰では、赤い、もしくは血の色をした月はメシア(救世主)の再来を意味する。それは、この世の終末を告げる 7つの予兆のうちの第 6の封印にあたる。キリスト教徒はこの信仰を語るとき、『ヨハネの黙示録』の第 6章 12節と 13節を引き合いに出す。そこには次のように書かれている:  「また、見ていると、小羊が第六の封印を開いた。そのとき、大地震が起きて、太陽は毛の粗い布地のように暗くなり、月は全体が血のようになって、天の星は地上に落ちた。まるで、いちじくの青い実が、大風に揺さぶられて振り落とされるようだった。 」

この『ヨハネの黙示録』の記述は、2012年 12月 21日を世界の終わりの日とする陰謀説にとっては願ったりかなったりである。しかし、インターネット上では 2012年 12月ではなく、2010年 12月 21日が本当の終末の日であるとする新しい説が勢いを得ている。

もし明日(この記事は月食の前日、12月 20日付で掲載されたものです)、この世界がまだ存在していたら、寒波にひるまず屋外に出て、数世紀に 1度しかない記念すべき光景を眺めようではないか。

前回冬至の日に月食があった 1638年、日本は 3代将軍・徳川家光の治世でした。2月に島原の乱が鎮圧され、多数のキリシタンが虐殺されました。夏から翌春にかけて「お蔭参り」が流行しました。9月にはキリスト教が厳禁され、翌年には鎖国体制が完成します。


『ヨハネの黙示録』の第 6章 12節と 13節の日本語訳は、財団法人 日本聖書協会のウェブサイトにある 「聖書本文検索」から新共同訳を引用させて頂きました。


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