ロシアとイギリスが〝TwinSat〟と呼ばれる地震予知衛星システムを開発しています。数年後には正確な短期予知が可能になる、とのことです:
以下はイギリス側のサイトです:
以下は〝TwinSat〟についてのプレゼンテーション用資料です。〝TwinSat〟衛星システムは、〝TwinSat-1M〟(マイクロ衛星、重量40~45kg)と〝TwinSat-1N〟(ナノ衛星、重量2.5kg)というローコストの衛星2機で構成されています。前者は、ULF/ELF帯(0.5-350 Hz)の電磁場、ULF/ELF帯やVLF/LF帯(3-300 kHz)の電場、地上から送信されたVLF/LF帯信号の振幅や位相の変動、VHF帯(26-48 MHz)の磁場などを計測。さらに地震前兆と雷の影響を区別するために、雷の活動を光学的に観測するのだそうです。後者の衛星は、電子やイオンの変動、ULF/ELF帯の磁場の変動などを計測するとのことです:
日本では、地震の短期予知は不可能であるという〝常識〟があるため、電磁気の分野から地震予知を試みる研究にはまったく予算が付かないのだそうです。そうしている間にも、海外では着々と研究が進展しています。フランスは2004年に〝DEMETER〟という地震予知衛星を打ち上げ、ロシアは国際宇宙ステーションに電離層の変動などを観測する装置を取り付けて地震予知の研究を長期にわたって続けています。イランも地震予知衛星を計画中であると伝えられています。
以下は、早川正士・電気通信大学名誉教授の著書『地震予知はできる!』(KKベストセラーズ、2011)からの引用です:
私たちは国からは地震予知研究に関する研究費を一切もらっていない。そのため自前で資金を調達して、観測点を増やしている。
「電離層の擾乱と地震」との関連性が、多くの研究者によって指摘されているにもかかわらず、国は私たちの研究を無視しているからだ。
じつは私は2011年9月、電磁波の手法を用いて地震予知の研究を行なっている仲間たちといっしょに、文部科学省に対して50億円の研究費を出してもらうように申請を行なった。
ところが、彼らは私たちにこう言い放った。
「あなたたちがやっていることには、関心がありません」
関連記事
- 電離圏にみられる地震前駆現象 (08年12月10日)
- ロシアの地震予測サイトについて (09年9月7日)
- QuakeFinder 社が電磁気的前兆を観測 (10年5月18日)
- 地中電磁波観測所を建設 ― 和歌山県串本町 (10年9月4日)
- 地震解析ラボ (10年10月8日)
- QuakeFinder社がSETI研究所と提携 (11年8月5日)
- 米国東部の地震で大気と電離層に前兆? (11年12月15日)
- 新日本無線が連日ストップ高 ― 地震予知に関連? (12年1月11日)
- 1週間先の地震予測情報を携帯などへ配信 (12年1月17日)
- 1ヵ月以内にM7級地震の予測 ― ロシア極東 (12年2月14日)
- イランが地震予知衛星を計画 (12年3月2日)