2023年5月23日火曜日

コネチカット州史上最大の地震とそれを予告したドクター・スティールの伝説 (その 2)

 
 
このコネチカット州の民間伝承は、この地域の歴史を通じて断続的に出現してきたムーダス・ノイズについて語っているのだが、この現象は現在では地震が原因であるとわかっている。ドクター・スティールの話が最初に現れたのは 1790 年にニュー・ロンドンの『コネチカット・ガゼット』紙に掲載された手紙においてである。そしてその翌年、本当に大地の騒乱が戻ってくるのだが、この時は後にも先にもないほどの激しいものだった。

「トゥデイ・イン・コネチカット・ヒストリー」というウェブサイトによると、1791年5月16日、地震は「立て続けに 2回の非常に大きな衝撃で」始まった、と当時の目撃者の一人は述懐している。「最初の衝撃が最も強かった。大地は非常に激しいけいれんを起こしているようだった。石の壁は倒壊し、煙突の上部が崩れ落ち、掛け金がかかっていたにも関わらずドアが勢いよく開いてしまった。後になって地面に数ロッド(1ロッドは約 5m)の長さの亀裂ができているのが見つかった。」

このコネチカット州史上最悪の地震は、異常に晴れ、月明かりに照らされた夜に発生した。 現在のクリントンという所に停泊していた船では、魚が水から飛び出すのを目撃したと船長が報告している。揺れは遠く離れたボストンやニューヨークでも感じられた。

現代の地震学者たちは、この地震は M4.4 と 5 の間であったであろうと推定している。震源地を確実に特定することは不可能だが、イースト・ハッダムのムーダス地区が震源地であると多くの人が考えている。
 
続く