2022年11月6日日曜日

NASA と ESA の長官が中国を非難

 
 
長征5Bロケットの落下に関して、アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)のトップが中国を非難する声明を出しています:
 
以下は記事の概要です ——
 
アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)のトップは、中国の長征5Bロケット・ブースターが制御されずに大気圏に突入して落下した最新の事例を非難する声明を発表した。

この23トン(21メトリック・トン)の宇宙ゴミは、中国が「天宮」宇宙ステーションに「夢天」科学モジュールを運ぶために長征5Bロケットを 10月31日に打ち上げた結果として発生したものである。今までの長征5Bロケットと同様に、今回も、ロケットが軌道に乗った後、ロケットのコア・ステージを安全に軌道から離脱させる試みがなされなかった。その結果、この巨大な宇宙ゴミは、大気の抵抗によって高度が低下するままに放置され、地上のどこに落下するのかという懸念を引き起こした。

幸いなことに、この巨大なロケットの破片は何事もなく太平洋に落下した。しかし、宇宙機関のトップたちは、今回の中国のロケットの無秩序な大気圏突入が引き起こしたかも知れない危険性を糾弾した。

NASA のビル・ネルソン(Bill Nelson)長官の 11月4日付電子メールによる声明 ——「中華人民共和国は、またもや、長征5Bロケット・ステージの制御されない大気圏突入によって不必要な危険をもたらした」、「彼らは、落下地点を予測し、危険性を低下させるために必要な軌道情報を提供しなかった」、「これは 2020年5月以来、中華人民共和国による4回目の制御されない大気圏突入であり、これらの突入はそれぞれ過去30年間で最大のものである」、「すべての宇宙利用国が宇宙活動において責任と透明性を持ち、確立された最善の慣行に従うことが重要である。特に、大きなロケット本体のデブリ(破片)の制御なしの大気圏突入は、大きな損害や生命の喪失をもたらす可能性が非常に高い」

ESA のジョゼフ・アッシュバッハー(Josef Aschbacher)長官の 11月4日付ツイッターによる声明 ——「今日起きた長征5Bの制御なしの大気圏突入は、持続可能ではない宇宙飛行のやり方がもたらす、宇宙と地上の両方の重要なインフラに対する危険性の増大をはっきりと示している」、「過去10年間、毎年約100個の大型デブリが大気圏に突入し、その年間総質量は約150メトリック・トン(165トン)である。我々は、制御されずに大気圏突入する衛星やロケット本体をよりよく追跡・予測し、被害を軽減する技術に取り組まなければならない」

制御されずに大気圏に突入するのは、長征5Bロケットの設計上の残念な特徴である。他の低軌道投入用ロケットは通常、1段目が上段から切り離された後、安全に海中に落下するか、SpaceX 社のファルコン9やファルコン・ヘビーのように、安全に地上に着陸して再利用できるように設計されている。長征5Bにはそのような機能がなく、大気の抵抗と重力にまかせてどこかに落下するしかない。

中国政府は、これらのロケットの大気圏突入に関する声明を発表していない。
 
 
日本の JAXA は、私の見た限りでは、何の声明も出していません。波風を立てたくないのか、忖度か、あるいは無関心なのでしょうか。
 
 
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