2010年7月28日水曜日

余震に異変 ― カリフォルニア州南部

カリフォルニア州南部では大きな揺れをともなう地震(震央地図)が続いていますが、7月7日に発生した M5.4 の地震では想定される規模の余震が発生しないという異変が起きています:

以下は記事の抄訳です:
7月7日に発生したマグニチュード 5.4 の地震ではこれまでに 650 を超える余震が発生している。しかし奇妙なことに、それらの余震の規模はすべてマグニチュード 4.0 未満である。

「この規模の地震では、最大でマグニチュード 4.4 の余震が発生すると想定される。非常に不思議だ。この地域では断層のネットワークが複雑に絡み合っており、それが想定される規模の余震が起きることを妨げているのかも知れない」 と語るのはスクリップス海洋研究所の地震学者 Debi Kilb 氏である。

M5.4 の地震はサン・ジャシント断層系(断層系地図)のコヨーテ・クリーク分枝で発生した。サン・ジャシント断層系は人口密集地の近くを通っているため、カリフォルニア州南部でもっとも潜在的危険性を秘めた断層の一つである。

Kilb 氏によれば、ほぼ同じ場所で起きた過去の地震 ―― 2005年 6月の M5.2、2001年 10月の M5.1 ―― でも想定される規模の余震が発生していない。

大地震の発生が迫ると小規模地震の発生が抑制されるという考えもあるので気になるところです。

このブログの 7月 22日付記事 「アメリカ西海岸の茂木ドーナツ」 でも、カリフォルニア州南部に 「茂木ドーナツ」 とよばれる地震発生パターンが現れており、そのドーナツの孔、すなわち地震空白域にサン・アンドレアス、エルシノア、サン・ジャシントという 3つの大断層系が通っているという話を紹介しました。上記の記事で、想定された規模の余震が発生していないという M5.4 の地震は、この空白域の縁に相当する場所で発生しています。


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