2008年12月12日金曜日

大地震と火山噴火の連動性

オクスフォード大学の研究者が大地震と火山噴火の関係について発表し、いくつかのメディアも伝えています:
発表内容をまとめると次のようになります:
  1. チリ南部の地震と火山について、過去150年分の記録を統計的に分析した結果、非常に大きな地震があったあと約1年間は、火山噴火の数が最大4倍程度にまで増加する。
  2. 震源から最大500km離れた火山まで地震の影響を受ける。
  3. 影響を受ける火山は、活火山、休火山を問わない。
  4. 予想外だったのは、震源と影響を受ける火山の距離が大きかったこと(最大500km)と、火山活動が活発化するまでの時間が長かったこと(数ヶ月)。
  5. 1906年と1960年の大地震(史上最大の地震)では、6つないし7つの火山が噴火した。この地域では、通常は年間1つの火山噴火がある程度。
  6. これまでも、大地震の後に火山が噴火した事例は科学者によって指摘されてきた。しかし、地震と火山噴火が偶然同じ時期に起こったのか、両者の間に因果関係があったのか、確証がなかった。今回の研究は、因果関係があったことを統計学的に明確にしている。
  7. 研究対象となったチリ南部の地震と火山噴火の関連性について初めて示唆したのは、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンで1835年のこと。
日本では、地震と火山噴火の関連性について文部科学省が研究にのりだしたという報道が数ヶ月前にありました。主として、東海・東南海・南海地震と富士山噴火の関連性を調べるものです。下記は、文部科学省の平成21年度予算概算要求についての資料(pdf形式)ですが、6ページ目の「東海・東南海・南海地震の連動性評価研究」(概算要求額:11億8100万円)のなかに「地震および火山噴火発生の連動性評価」という項目が含まれています:
Image Courtesy Austin Post / USGS; Image source: Earth Science World Image Bank