ベテルギウスはオリオン座の一等星で、猟師オリオンの右肩(オリオン座の長方形の向かって左上隅)に相当する位置にあります。質量は太陽の約20倍、直径は太陽の約1000倍ある赤色超巨星で、仮に太陽系の中心にベテルギウスをおいたとするとその表面は木星の公転軌道近くにまで達し、地球や火星などはその内部に飲み込まれてしまうほどの大きさがあります。
ベテルギウスは恒星としての活動が不安定になっており、最近、さまざまな異変が観測されています。以下は、ウィキペディアからの引用です:
2009年時点のベテルギウスは、15年前の測定時と比べると15%も小さくなっており、しかも加速的に収縮しているらしいことがわかった。また、2010年1月にはNASAが、ベテルギウスが変型している事を示す観測写真を公開した。ガスが流出し表面温度が不均一になるなど、恒星が不安定な状態にあることが示された。近年の観測や研究により、その形状は球形ではなく、大きな瘤状のものをもった形状であるとされている。
このブログ記事のタイトル「超新星爆発まぢか」を見て「マジかよ~」と思われるかたもおられるかも知れませんが、「まぢか」と言っても天文学的な時間スケールでの話です。明日かも知れませんし、100万年後かも知れません。ベテルギウスまでの距離は640光年とされていますから、超新星爆発が今日おこったとしても、われわれがそれを知るのは640年先のことになります。もしかしたら、ベテルギウスはすでに爆発していて、その強烈な光や放射線が地球に向かって進行中なのかも知れません。
以下のニュース記事には、最近のベテルギウスの様子を観測結果にもとづいて再現した動画が掲載されています。北京で開かれた国際天文学連合(IAU)の会合で、8月24日にフランスの天文学者のチームが発表したものです。7年半にわたるベテルギウスの変化を、32秒間に圧縮して再現しています:
- Bubbling Betelgeuse on brink of destruction (破滅の瀬戸際で沸き立つベテルギウス、動画あり)
- This is what a red giant looks like just as it’s about to blow (これが爆発寸前の赤色巨星だ、動画あり)
以下の動画は、ベテルギウスの超新星爆発が地球上のわれわれからはどのようにみえるかを再現しています:
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