こんなところにも地球科学の話題が、というお話を2つ ・・・
『朝日新聞』には、「朝日歌壇 俳壇」が毎週掲載されます。読者からの短歌や俳句から複数の選者が選んで寸評を添えるものです。昨年8月14日の歌壇には以下のような歌や句が、他の多くの作品と並んで選ばれていました:
- ハワイならやがて日本に近づくと夏の休みをねむる夫はも
- 夏至来るや地軸のずれる音がする
前者には永田和宏氏の「スケールの大きな夫を持つと大変そう」、後者には、先ごろ亡くなった金子兜太氏の「長い一日、地軸のずれを感じる感覚良し」との評がつけられています。
夏至と地軸のずれがなぜ結びつくのか今ひとつ釈然としませんが(地軸の傾きのことを言っているのでしょうか)、ハワイが日本に近づく云々の方には納得。プレートテクトニクスの考えが当たり前のこととして和歌にも詠み込まれる時世になりました。
太平洋プレートの動きにつれてハワイ諸島が少しずつ日本列島に近づいてきていることは、様々な手段で観測され確認されています。そのうち、最も精密とされるのが VLBI(超長基線電波干渉法)です。「数千キロメートルも離れたアンテナの位置関係をわずか数ミリメートルの誤差で測ることができます」:
VLBIによる観測結果は、プレートが動いていることを示す「動かぬ証拠」と言えるでしょう。
(続く)