2024年11月21日木曜日

噴火始まる — アイスランド

 
 
現地時間 11月20日23時14分(日本時間 21日08時14分)、アイスランドのレイキャネス半島で噴火が始まりました。アイスランド気象局は、スヴァルツェンギ(Svartsengi、地図)の地下に流入しているマグマの累積量から、11月中に噴火する可能性は低いと予測していましたが、外れました。前回の噴火は 8月22日に始まり、9月初旬に終息しました:
 
以下は、アイスランド気象局が 11月21日に発表した文書とその概要です:
 11月20日午後11時14分、ストーラ・スコグフェル(Stóra-Skógfell、地図)とシリンガルフェル(Sýlingarfell)の間で噴火が発生した。
 
11月20日午後10時30分ごろに小規模な地震群が発生。その後、午後10時37分に HSオルカ社が運営する掘削孔で圧力の変化があった。この 2つの独立した事象は、マグマの貫入が始まったことを明確に示していた。

11月20日午後11時14分、ストーラ・スコグフェルとシリンガルフェルの間に亀裂が開き、北東方向に伸びた。噴火している亀裂の長さは約 2.5km と推定され、南端はシリンガルフェルの近くにある。
 
 

2024年11月20日水曜日

アヒイ海山の噴火警戒レベル引き上げ — マリアナ諸島

 
硫黄島の南東 620km にあるアヒイ海山(Ahyi Seamount、地図)の噴火警戒レベルが UNASSIGNED から ADVISORY(注意報)に、航空カラー・コードが YELLOW(黄色)に引き上げられました: 
アヒイ海山の火山活動活発化の明瞭な兆候が、過去数週間、衛星データによって散発的に観測されている。11月1日、10日、19日の衛星画像には、変色した海水が火山から数百メートル離れたところまで漂っているのが写っている。衛星データの遡及分析では、2024年8月5日までさかのぼって弱い活動が認められる。最新のものを含むこれらの衛星画像の一部には、海面に浮かぶ軽石と思われるものが写っている。ウェーク島の水中音響アレイのデータには、アヒイ海山の方向からの顕著な音響信号は検出されていないが、過去の事例では、同海山で明確な水中音響信号のない海底噴火が観測されている。
 
海水の変色に加えて軽石が存在する可能性があることは、アヒイ海山で海底噴火が進行中であることを示唆している。したがって、航空カラー・コードと噴火警戒レベルを YELLOW(黄色)と ADVISORY(注意報)に引き上げる。

 アヒイ海山は円錐形をした大きな海底火山で、頂上は海面から 137m 以内にあるとされています。
 
 
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東京湾や千葉県の上空に 2本の長い棒状の雲

 
11月19日午後、東京湾や千葉県の上空に 2本の長い棒状の雲が現れました。衛星画像で見ると、北東-南西方向に伸びていたようです。

「上空の安定した大気に性質が異なる空気が流れ込んだことでできたと考えられる(中略)国内でここまできれいな形の雲は見たことがない」(専門家)、「オーストラリアで良く見られる『モーニンググローリー』と呼ばれるロール状の雲と似ている」(東京大学・新野宏名誉教授):
 
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小惑星 2024 WA が地球と月に接近・通過

 
小惑星〝2024 WA〟が 11月15日に地球と月の近くを通過していたことが、NASA/JPL による 11月19日付のデータベース更新で明らかになりました。かなり大きな小惑星ですが、発見は接近・通過の後となりました。
 
2024 WA (2024年11月19日付予報)
接近日時(日本時間)
(地球)11月15日 04:07
 (月)11月15日 11:35
接近日時 誤差
(地球)± 2 分
(月)± 2 分
接近距離 (地球)0.34 LD
(月)0.54 LD
推定直径
12 ~ 27 m
対地球相対速度
9.2 km/s ≅ 3万3000 km/h
初観測から地球接近まで−2 日
次の地球接近
公転周期641 日 ≅ 1.75 年
分類
アポロ群
 (1LD=地球から月までの平均距離)
 
このブログでは、原則として地球から 1LD 以内に近づく小惑星を記事にしています。
 
 

南海トラフで深発地震、異常震域

 
11月20日03時36分、駿河トラフと南海トラフの接続部付近を震源とする深発地震がありました。気象庁の速報値では、M5.0、深さ 250km、最大震度 2(震央地図),防災科学技術研究所の資料では Mw4.9、深さ 240km です。
 
この地震の震央は伊豆半島の南西ですが、震央に近い伊豆半島や東海地方では無感で、有感となったのは相模湾から東北地方にかけての太平洋側の地域でした(震度分布図)。地震波が、減衰しにくい海洋プレートのスラブをとおして伝わる異常震域現象だと思われます。
 
右上図は防災科学技術研究所 AQUAシステム メカニズム解カタログより。
 
 
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2024年11月19日火曜日

日本に対して働きつつあった一勢力

 
関東大震災を予測したことで知られる地震学草創期の研究者・今村明恒博士(1870〜1948)は、日本列島の地震には「旺盛期」というべき時期が 3回あった、それは(第一期)7世紀末から 9世紀末、(第二期)16世紀末から 18世紀初頭、(第三期)19世紀半ば以降である、これらの「旺盛期」は必ず「三陸沖に於ける地下大活動」によって代表される、と指摘しました。
 
 博士は 1936年に発表した論文で次のように述べています ——
 
とくに第一期、第二期はその期間あまり長からざるにかかわらず、地震活動が、この間に本邦における地震帯の全系統を少なくとも一巡しているようにみえる。これはまったく偶然の結果かもしれないが、しかし各期における活動の原因が広く日本に対して働きつつあった一勢力にあるとみる時、斯様な現象の起こるのもむしろ自然のように思われる。
 
ここに書かれている「日本に対して働きつつあった一勢力」の実体を今村博士がどのように考えていたのかはわかりません。太平洋プレートのようなものだったのでしょうか。プレート・テクトニクス理論が登場したのは 1960年代の後期です。
 
参考書籍: 保立道久『歴史のなかの大地動乱 — 奈良・平安の地震と天皇』岩波新書、2012

2024年11月18日月曜日

近畿圏中心領域大型地震 (続報-310)

 
八ヶ岳南麓天文台(地図)の串田氏が「No.1778 長期継続大型地震前兆」について 11月17日20:00 付けで「続報 No.377」(PDF形式)を出しています。
 
前回の更新情報(No.376、11月11日14:00 付け)では次のように推定されていました ——
 
11月11日現在、変動継続中のため、少なくとも 11月17日以前に対応地震が発生する可能性は否定される。主な継続変動は、CH32 特異と CH26 PBF 特異。他は微弱。

現状認識
  • CH02 特異等 — 初現 10月20.0日、極大 11月1.2日、終息推定 11月17日±1日 — [初現〜発生]:[極大〜発生]=20:13 → 11月23日±3日
  • CH32特異、CH26 PBF特異等 — 初現 10月9.0日、極大 10月24.5日、終息推定 11月16日±1日 — [初現〜発生]:[極大〜発生]=20:13 → 11月22日±3日
  • 火山型変動 — 主極大 11月5.0日、副極大 11月9.5日、終息推定 11月19日±1日 — [極大〜発生]:[主極大〜副極大]=4:1→ 11月23日±4日
上記認識が正しい場合、11月23日±3日に対応地震発生の可能性。11月20日以降も前兆変動が継続した場合は再検討。
 
今回の更新情報(No.377)では以下のように判断されています ——
 
前回までの更新情報では、火山性変動などを中心とした前兆変動は「別形態変動」と認識していた。しかし、火山性変動の中心は11月1.5日で、同期特異変動など他の前兆変動の極大と同じ時期 → 2つの前兆変動群は同一現象を表していると認識。

初現 10月9.0日、極大 11月1.5日に経験則[初現〜地震発生]:[極大〜地震発生]= 20:13 を適用 → 12月15日±3日に地震発生

上記認識が正しい場合は、前兆変動の静穏化は 12月4日±3日、12月中旬近くまで対応地震発生の可能性はなく安全。
 

推定日12月15日±3日(静穏化確認後修正予定)
12月4日±3日に静穏化しない場合は再考
12月4日以前に変動静穏化の場合は修正して続報予定
推定時間帯 09:00±2時間 または 18:00±3時間
(午前09時~11時の可能性が若干高い)
推定震央領域

続報 No.377」所載の図2 参照
太線領域内=大枠推定領域
斜線領域=可能性が考えやすい推定領域
震源が火山近傍領域を含む可能性高い
弧線A~B以南は考えにくい

直近で噴火の可能性が考えられる前兆変動はないので、現状では震央近傍火山の噴火の可能性は考えにくい。今後噴火変動が観測された場合は続報予定。
推定規模 主震:M8.0 ± 0.3
複合の場合:M7.4±0.3 + M7.3±0.3 など
(余震を含まない大型地震の断層長が合計で約150km程度となるような複合地震活動の可能性)
推定地震種 震源が浅い陸域地殻内地震
 
 
このブログ記事のタイトルが「近畿圏・・・」となっているのは、当初の推定震央領域が近畿圏とされていたためです。その後、推定領域は徐々に東にずれ、現在は長野県や群馬県を中心とした地域とされています。推定領域が変化するにしたがってタイトルを変えると、過去の記事の検索が不便になると考え、当初のタイトルのままとしています。
 
 
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2024年11月17日日曜日

イーロン・マスク氏の3人の妻と12人の子どもたち

 
近ごろ報道で目にすることが多いイーロン・マスク氏ですが、3人の妻との間に 12人の子どもをもうけているとのこと。12人には三つ子 1組、双子 2組が含まれています。マスク氏は世界一の大富豪といわれていますから、将来、遺産相続で揉めるのではないでしょうか。私が心配することではないですが ・・・

以下の画像は "Mail Online" の記事に掲載されているものです:
 

瀬戸内海にキタオットセイ — 兵庫県姫路市

 
10月13日午前、兵庫県姫路市の播磨灘にある家島(地図)沖で、キタオットセイとみられる動物が泳いでいるのが目撃・撮影されました。体長 1m 超。北オットセイの瀬戸内海での目撃例はない、とのこと。
 
「キタオットセイは夏に北太平洋で繁殖期を過ごし、冬から春先にかけて東北や千葉県沖まで南下。日本海側の鳥取県で保護されたケースもあり、今回はキタオットセイの可能性が高い」(神戸須磨シーワールド館長):
 

陸奥湾で M4.6、最大震度 4

 
11月16日21時22分、陸奥湾東部を震源とする M4.6、深さ 10km、最大震度 4 の地震が発生しました(防災科学技術研究所は Mw4.4、深さ 7km としています)。
 
気象庁の「主な地震の発震機構解(速報値)」によると、発震機構は北東ー南西方向に圧力軸を持つ逆断層型です()が、防災科学技術研究所の「AQUAシステム メカニズム解カタログ」では東西方向に近い圧力軸のようです(右図)。
 
気象庁の「震度データベース検索」で検索可能な 1919年1月1日以降、陸奥湾では震度 1 が 37回、震度 2 が 10回、震度 3 が 6回発生していますが、震度 4 以上が発生したのは今回が初めてです。また、M4.5 以上の規模は 1976年11月29日の M4.9以来、48年ぶりです。