今から10年前、協定世界時で2月15日03時20分26秒(日本時間同日午後0時20分26秒)、小惑星がロシアのチェリャビンスク上空で大気圏に突入し爆発しました。小惑星の直径は 17m、質量は 1万トンと推定されています(資料)。
以下は NASA が 2月15日付でウェブサイトに掲載した記事です。NASAの惑星防衛の専門家が、10年前のチェリャビンスクの衝突を振り返るとともに、惑星防衛の分野で NASA がこれまでに成し遂げてきたことと、将来の展望を述べています:
記事からの抜粋です ——
稀なケースとして、地上に到達するには小さすぎるが、崩壊するときにかなりのエネルギーを放出する大きさの小惑星が地上に大きな被害を与えることがある。2013年2月15日、ロシアのチェリャビンスク上空で、一軒家ほどのサイズの小惑星が秒速 11マイル(約18km)で地球大気圏に突入し、地上 14マイル(約23km)の高さで爆発した。この爆発は44万トン(440キロトン)のTNT火薬に相当し、その結果、200平方マイル(約518km2)以上の窓が吹き飛び、建物が損傷し、1600人以上が負傷した。負傷のほとんどは飛び散ったガラスによるものだった。小惑星は地球の昼間の側から接近したため、突入前に発見されることはなかった。今後 100年間は小惑星の脅威はないとされているが、未知の小惑星による地球衝突はいつ起こるかわからないということを思い知らされる出来事となった。
チェリャビンスク衝突は、惑星防衛の世界的な議論に火をつけるきっかけとなり、それ以来、この分野では多くの進展があった。しかし、まだまだやるべきことはあり、NASAはその最前線に立って積極的に取り組んでいる。NASAは、地球に危険をもたらす可能性があるがまだ未発見の小惑星を発見するための NEOサーベイヤーを構築することに加えて、危険な小惑星が発見されたときに、より詳細な特性を迅速に得ることができる「緊急対応偵察」能力を検討している。また、2029年に地球に接近する小惑星を調査するための探査機の打ち上げも検討している。
NASA 惑星防衛官リンドリー・ジョンソンは、「NEO(地球近傍天体)の地球への衝突は、現在人類が完全に防ぐ方法を知っている唯一の自然災害である」と述べている。「まだそこにあることがわかっているものを私たちは探し続けなければならない。そして、いつの日か起こるかも知れない壊滅的な出来事から地球の住民を守ることができる惑星防衛技術と能力の研究とテストを続けなければならない。」
関連記事
- ロシアに大隕石落下、人的被害も (13年2月15日)
- ロシアに大隕石落下、人的被害も (続報) (13年2月16日)
- ロシアに大隕石落下、人的被害も (続報-2) (13年2月16日)
- ロシアに大隕石落下、人的被害も (続報-3) (13年2月16日)
- ロシアに大隕石落下、人的被害も (続報-4) (13年2月23日)