2009年7月19日日曜日

アポロは月に行っていた

「アポロ宇宙船は月に行っていなかった」と、テレビ番組などで真顔で主張する人がいるのには、毎度のことながらあきれてしまいます。そんな人たちにとって悪夢の瞬間がやって来ました。今年 6月に月を周回する軌道に入ったアメリカの月探査機 LRO(Lunar Reconnaissance Orbiter)が、月面に残された 6機のアポロ着陸船の基部うちの 5つを撮影することに成功しました。宇宙飛行士によって月面に設置された科学機器や、宇宙飛行士が歩いた足跡も見分けられる解像度の高さには感嘆するばかりです:
ハッブル宇宙望遠鏡でも解像度の限界から捉えられず、日本の月探査機「かぐや」も撮影することができなかったアポロ着陸船の基部がしっかりと写っています(着陸船の上部は、地球に帰還するために打ち上げられ、月面には残っていません)。これらの写真は、LRO が月面を精査するための軌道に入る前に撮影されたもので、搭載カメラの解像力が十分に発揮されているわけではありません。今後撮影される写真の解像度は、今回発表された写真の 2倍から 3倍になるとのことで、非常に楽しみです。