2019年1月25日金曜日

地震で地震を抑制する


「毒を以て毒を制する」ような話です。50年前にはこのようなことがまじめに検討されていました:

上記は『Science News』誌の記事ですが、1969年2月8日付の同誌記事の引用と、それに対する現在の知見による評価からなっています:
連邦科学技術評議会は、地震がいつどこで発生するのかを予測し、地震の原因を取り除いて発生を防止し、あるいは少なくとも地震(の規模など)を(人為的に)変更する方法を見つけるための国家地震研究10カ年計画を策定した。基本的なアイデアは単純である: 地下の岩盤に液体を注入して歪みを解放し、1回の激しい揺れの代わりに小規模な地震の穏やかな連鎖を作り出すのである。

これに対する現在の知見からの評価は次のようになっています:
大地震を防ぐために小さな地震の連鎖を作り出す方法はうまくいかない。大地震と同じエネルギーを解放するには、数千回ではないとしても数十回の小規模地震がが必要になる。地下に液体を注入する方法(石油、天然ガス、地熱エネルギーの生産や廃水の処分では一般的な方法)は、実際には地震のリスクを増大させる。2017年に韓国で発生した M5.5 の地震は、地熱を取り出すために液体を注入した結果である可能性がある。オクラホマ州での最近の地震の増加は、廃水の注入と関連がある。