2018年9月21日金曜日

イエローストーン国立公園の一部地区を閉鎖、熱水活動が活発化 (補足)


9月20日付「イエローストーン国立公園の一部地区を閉鎖、熱水活動が活発化」の補足です。

米国地質調査所(USGS)イエローストーン火山観測所(Yellowstone Volcano Observatory)の発表をテキトー訳してみました:
最近の熱水系の変化を受けて Upper Geyser Basin の一部を閉鎖
2018年9月19日

先週、イエローストーンの Upper Geyser Basin(直訳すれば上部間欠泉盆地、地図)内にある Geyser Hill(間欠泉の丘)で、熱水系に変化が進行しました。通常は穏やかに熱水を湛えている Ear Spring(耳の形をした泉、地図)で、9月15日土曜日、熱水が 6~9m の高さにまで吹き上がりました。この噴出では、岩石だけでなく、コインや空き缶、その他の人間が持ち込んだゴミなど、過去に間欠泉に落ちたり投げ込まれたりしたさまざまな物も飛散しました。過去に Ear Spring で同じ規模の噴出が起きたのは、知られている限りでは1957年のことです。小規模な噴出は 2004年に起きています。これらの熱水系の変化を受けて、イエローストーン国立公園では遊歩道の一部を閉鎖しました。

イエローストーンの Upper Geyser Basin で最も有名な熱水ポイントといえば Old Faithful 間欠泉であることに異論はないでしょう。Geyser Hill は、Old Faithful から Firehole River(地図)を横切ったところにあり、数十の温泉、間欠泉、噴気孔が存在しています。Geyser Hill にある熱水ポイントのいくつかで、Ear Spring の噴出以降、熱水活動が変化しています。最も顕著なのは、Pump Geyser の西、Sponge Geyser の北で、遊歩道(木道)の直下に新たな熱水地形が形成されたことです。そこでは、9月18日から19日にかけての夜間に噴出が起こり、その後も脈動する水が噴き出し続けています。噴出地点を中心とした直径約 2.5メートルの範囲では、地面が呼吸するかのように 10分周期で上下に約15センチメートル動いています。他のいくつかの熱水ポイントでも通常より活動が活発になっています。その中には、Doublet Pool と North Goggles Geyser の間欠活動や沸騰活動も含まれています。

イエローストーンにおける熱水系の変化はよくあることで、イエローストーン火山の活動の変化を反映しているわけではありません。熱水系の変化は、地殻上部の100メートルほど(few hundred feet)の範囲でのみ生じるもので、深さ数百キロメートルのマグマの動きと直接関係するものではありません。差し迫った火山活動の兆候はみられていません。地震活動の顕著な増加や広範囲の地殻変動は起きていません。

Upper Geyser Basin 内の Geyser Hill で現在進行している変化が、今後どのように進展するのか、たしかなことはわかりません。以下は、最も可能性の高い2つの想定です:
  1. 温度が上昇した領域が拡大し、熱水活動の変化は、2003年に Norris Geyser Basin に起きた熱水活動のように、数年間にわたって継続する。この場合、現在の遊歩道の配置を見直す必要に迫られる。

  2. Geyser Hill で小規模な熱水爆発が発生し、直径数フィート(1フィート=30cm)のクレーターができる。岩石と熱水が数百フィート(100フィート=30m)の距離まで飛散する。1989年に Norris Geyser Basin 内の Porkchop Geyser でこのようなことが起きた。

Old Faithful 間欠泉にどのような影響が出るかはわかりませんが、Geyser Hill と Old Faithful は別々の熱水供給システムを持っており、互いに無関係に活動しています。

今年3月に1289日ぶりに噴出活動を再開し、不規則な噴出を繰り返しているスティームボート間欠泉(Steamboat Geyser)は、今回熱水活動が活発化している Upper Geyser Basin や Geyser Hill からは北北東に約30km離れたところにあります。


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