NASAの火星探査機・インサイト(InSight: Interior Exploration using Seismic Investigations, Geodesy and Heat Transport)が5月5日に打ち上げられます。予定通りにいけば11月26日に火星のエリシウム平原(Google Map)に着陸し、地表に地震計などを設置します:
- NASA Sets Sights on May 5 Launch of InSight Mars Mission
- Key Facts About NASA's InSight Lander
- Mission Overview
インサイト探査機はヨーロッパ各国の協力で制作された2種類の科学観測機器を搭載しています:
- 地震計(SEIS: Seismic Experiment for Interior Structure)
- 熱流量計(HP3: Heat Flow and Physical Properties Package)
さらに、探査機の通信システムを利用して火星の自転を精密に測定し、火星の内部構造を推定することも計画されています(RISE: Rotation and Interior Structure Experiment)。
地震計は1970年代半ばに火星に着陸したバイキング1号と2号にも搭載されていました。しかし、その地震計は、緩衝装置(ショック・アブソーバー)のついた着陸脚に支えられた探査機本体に取り付けられていたため、風による振動が混入して科学的に意味のある観測データは得られませんでした(JAXAの資料によると、火星の大気圧は地球の100分の1以下ながら最大風速は毎秒100m以上)。今回のインサイト探査機では、地震計は風の影響を受けにくい容器に収納されて地表に設置されることになっています。
通常、地震の発生位置を知るためには少なくとも3カ所に地震計を設ける必要がありますが、インサイトの地震計1台だけでどのようなことがわかるのでしょうか。地震の表面波を利用して計算するようです:
- QUAKE QUANDARY (PDF形式、1ページ)